「何か不満でもあるのか?」
西園寺真司は小さな妻の怒りに満ちた顔を見つめながら、自分の傑作に得意げな様子だった。
完全オープンスタイルの寝室、これからの生活がとても「幸せ」になると思うだけで…
須藤夏子は顔を真っ赤にして、真司をきつく睨みつけた。まるで彼の心を見透かしたかのように、とても厳しく真剣に言った。「カーテンを付けないなら、死んでもここには住まないわよ!」
完全オープンスタイル?
冗談じゃない!
彼女は真司の前で服を脱ぐ勇気すらないのに、まして入浴なんて!
真司は何とも言えない表情で眉を上げ、しばらくしてから言った。「わかった、手配しておく」
しかし夜になって引っ越してきても、夏子はまだ目隠しになるものが見当たらなかった!
「ねえ、約束を守らないの!」
部屋の中のものを自分の好みに配置し終えた夏子は、クリスタルガラス一枚だけで仕切られたバスルームを見て、完全に力が抜けた。さらに彼女を絶望させたのは、真司がすでにバスローブを手に入浴の準備をしていたことだった!
「もう指示は出してある。明日にはカーテンが取り付けられる」真司はバスルームに向かいながら、唇の端を上げて悪戯な笑みを浮かべた。
夏子は素早く身を翻し、恥ずかしそうにした。しかし悪魔のささやきか、彼女は思わず振り返って横目で一瞥した。ちょうど真司が下着一枚になるところを見てしまい、自分の頬を叩きたくなるほど慌てて再び前を向いた。しかし彼女の目の前には大きな姿見があり、背後のバスルームの様子が鮮明に映し出されていた…
夏子は顔を真っ赤にして、黙ったまま目を手で覆いながらベッドに座った。十数分後、バスルームの水音が止み、真司が寝間着姿で近づいてきた。清々しく心地よい声には、殴りたくなるほどの揶揄が含まれていた。
「お前も入っていいぞ」
「入らない!」夏子はためらうことなく拒否した。今日は臭くなっても風呂には入らない。
彼女は自分で目を覆って見ないようにできるが、自分の命にかけて断言できる。彼女が入浴している間、真司は間違いなく興味津々で見物するだろう!
「本当に入らないのか?俺は潔癖症なんだが」真司は彼女をからかい続け、そのままベッドに横たわり、心地よさそうにため息をついた。