翌朝、空気の中にはまだホルモンの香りが残っていて、朝の清々しい香りと一緒に、陽の光の中に混ざり合っていた。
須藤夏子は酷く痛む腰をさすりながら、不快感から体を反転させた結果、「ドン」という音と共にソファから床に落ち、鈍い呻き声を上げた。
そして彼女は完全に目を覚まし、昨夜起きた一連の出来事を思い出すと、すぐに腰がさらに痛くなったように感じた……
夏子は床から這い上がり、ソファに手を伸ばした。昨夜あの厚かましい男はもう小さなリビングにはいなかった。夏子は腕や足を伸ばして体をほぐした後、寝室に駆け込んでみると、寝室の半分以上を占めていたベッドがなくなっていた。
彼女はまたトントントンと階下に駆け下り、ちょうど西園寺真司が雛を掴むように陸橋軽穂をキッチンに引っ張っていくところを目撃した。
「昨日、お前は義姉さんに何を話した?」
軽穂は首をすくめ、心虚ろに言った。「僕はただ非常にうっかりして兄貴の過去をまとめただけで、それから——」
「よくやった」
軽穂がまだ言い終わらないうちに、真司の冷たい表情が突然変わり、春のような笑みを浮かべた。
今度は軽穂が完全に震え上がり、手を挙げて誓った。「僕は今後絶対に余計なことは言いません。たとえ義姉さんが僕を殺しても、絶対に口を閉じます!」
真司は「わかってるならいい」という視線を彼に向け、それから歩いてきた陸橋夫人に孝行息子のように挨拶した。「義母さん、おはようございます」
陸橋夫人はこめかみをさすりながら尋ねた。「朝早くから上の階で何の音がしてるの?」
軽穂が意味ありげな視線を投げかけると、真司はそれを無視して言った。「ベッドを解体しています。夏子があのベッドは寝心地が悪いから、取り替えたいと言ったんです」
「ベッドを解体?」陸橋夫人はこめかみをさする動作を止め、なぜかとは聞かず、こう言った。「ついでに私のゲストルームのベッドも取り替えて。あなたの義父が今夜こちらに来るけど、あのタイプのベッドは彼には合わないから」
真司は頷き、使用人を呼んで一言指示を出し、須藤夏子と鈴木森吾が来たらすぐに朝食にした。
軽穂は真司を見て、それから疲れた表情の夏子を見て、頭を下げてクスクス笑い始めた。