第330章 家から追い出される！（1）

市立病院、VIPフロア。

以前は空っぽだった廊下の外には、カメラを持った記者たちが座ったり立ったりして溢れていた。廊下とVIPフロアのガラスドアのところでは、病院が新たに6人のボディーガードを配置し、記者たちの侵入を阻止していた。

病室の中で、深井杏奈はまだ外で何が起きているのか知らなかった。自分の醜聞がすでに暴露されていることなど、なおさら知るよしもなかった。彼女が知っているのは、一昨日の夜から深井家が病院に人員を増派し、彼女が誰とも接触できないようにしていること、そして今朝、病院に多くの記者が来て、彼女を完全に隔離したということだけだった。

そして彼女はすでに服を着替え、深井和久の手配を待っていた。

「このフロアだけで20人近くの記者がいて、病院の外にはさらにどれだけいるか分からない。これから看護師と医師がやって来るから、杏奈は看護師たちの中に紛れて、なるべく記者に気づかれないようにして。病院を出たら……須藤さんと一緒に須藤家に戻りなさい」

「お兄さん、私は絶対に須藤家に戻るなんて——」

「深井家の前にも大勢の記者が待ち構えている。君が姿を現すのは都合が悪い。とりあえず須藤さんと一緒に須藤家に戻りなさい」和久は杏奈の言葉を遮り、表情に少し苛立ちを見せながらも、まだ本当の理由を明かさなかった。どう切り出せばいいのか、本当に分からなかったからだ。

もし以前は妹に同情の念を抱いていたとしても、今は嫌悪感と失望しか残っていなかった。

杏奈は恥ずかしさに唇を噛み、すべての感情を心の中に押し込めた。青白い顔には憔悴の色だけが残り、唇の端が何度か動いたが、言おうとした言葉はすべて和久の突然変わった態度によって押し戻された。

数分後、二人の医師と四人の看護師が病室に入ってきた。和久は杏奈と体格が似ている看護師を一人残し、医師が杏奈の検査を終えた後、杏奈をその医師や看護師たちの中に紛れさせて外に出すよう手配した。

出発する直前、杏奈はやはり諦めきれずに口を開いた。「お兄さん、一体何が起きているのか教えてくれない？」

和久は目を伏せ、深く息を吸い込んでから言った。「何が起きたかは、須藤さんに説明してもらいなさい。彼は駐車場で君を待っている」