第361章 君は綺麗なだけじゃなく、美味しい

西園寺真司がどれだけ慰めても、須藤夏子はまだ少し不安を感じ、ずっと眉をひそめて口をとがらせていた。

真司はバックミラーから彼女の気がかりな様子を見て、本当に困ったなと思いながら、手を伸ばして彼女の眉間のしわを伸ばし、言った。「眉をひそめないで、醜いよ」

夏子は我に返り、彼を横目で見て、負けじと言った。「あなたこそ醜いわ、私は眉をひそめてもかわいいもん」

真司は彼女の注意をそらすことに成功し、すぐに彼女をからかう気持ちが湧いてきた。「うん、君はかわいいだけじゃなく、美味しそうだよ」

その一言で、夏子は顔から首筋まで真っ赤になった。

そして夏子は顔をそむけ、わざと彼を無視した。

真司はまだ言い続けた。「美味しいと言えば、室内ブランコはもう準備できたかな」

夏子は顔が青ざめるほど驚き、恥ずかしさを堪えながら尋ねた。「今すぐ家に帰るの？」

「もちろん、他にどこに行きたいの？」

「私...せっかく出かけたんだから、少し散歩でもしましょうよ。ほら、今日はいい天気じゃない！」

絶対に家に帰れない！

彼女が宮平一郎に頼んだサプライズはまだ準備できていないのに、どうして家に帰れるだろう！

真司は彼女の澄んだ瞳から心虚な様子を見抜き、再び彼女に近づいて言った。「思い出したよ、今日は僕の誕生日だ。もしかして家でサプライズを用意していて、今は僕に知られたくないから、わざと家に帰りたくないのかな？」

夏子は思わず腹の中で文句を言った。この人の頭はどうなっているの？当てずっぽうなのに全部当たるなんて！まるで私のお腹の中の虫みたい！

しかし彼女はもちろん認めるわけにはいかなかった。そこで機転を利かせて言った。「私、こんなに風邪をひいているのに、どうやってサプライズを準備するのよ。ただあなたと一日中一緒にいたいだけよ」

そう言いながら、彼女は拗ねたふりをした。

真司は眉を上げ、突然考え込み始めた。深遠な目で夏子をしばらく上から下まで見つめ、ハンドルの上で指を何十回もタップした後、やっと夏子の拗ねた小さな顔を上げさせて尋ねた。「本当に僕と一緒にいたいの？」