第215章 美強惨の代表

これで、葉山紗里は少し心が動かされた。彼女は心の内を見透かされたような気がした。「あなたの言うことは、確かに道理があるわね。」

彼女は愛情を込めて息子の頭を撫でながらも、心の中では少し切なくなっていた。

時々、息子を連れてショッピングモールに買い物に行くと、息子がきれいなおもちゃに目を留めるのだが、彼女はいつも「あれは良くないのよ」「これは役に立たないわ」と息子をだましていた。

実際は、おもちゃの出来が悪いわけではなく、むしろ出来が良すぎて、彼女には買えなかったのだ。

夫が毎月くれるお金はたった5000元で、人付き合いの費用を差し引き、家族の生活費を差し引き、さらに義両親への仕送りを差し引くと、ほとんど残らなかった。

時には息子が病気になって病院に行くと、千元や八百元があっという間になくなってしまう。

彼女がどうして息子に高価なおもちゃを買ってあげられるだろうか?

買って帰れば、きっと夫に何日も小言を言われることになる。

もし彼女自身もお金を稼げるなら、息子の好きなおもちゃの車を買ってあげられるのに。

美智は彼女がようやく試してみる気になったのを見て、心も軽くなった。

しばらくおしゃべりした後、武田奥さんがやって来た。彼女の隣には武田香織もいて、大小の贈り物の袋を持っていた。香織は到着するとすぐに贈り物を手放し、美智を抱きしめた。

「お義姉さん、大丈夫?おばあさまの具合はどう?」

「私は大丈夫よ。おばあちゃんも意識は戻ったわ。でも年齢のこともあるから、回復にはまだ時間がかかるの。今はまだ眠っていて、起きて皆さんとお話しすることはできないわ。」

「大丈夫よ、これからもおばあちゃまと一緒に来るから。おばあさまが良くなったら、またご挨拶するわ!」

人が増えると、美智の家は賑やかになった。特に紗里が子供を連れてきていたので、武田奥さんと香織は彼をとても気に入り、絶えず彼と遊んでいた。

美智は隙を見て、香織を脇に引き寄せ、とても申し訳なさそうに言った。「香織、私しばらくオークションハウスを手伝えないかもしれないの。おばあちゃんの看病をしないといけないから。」

「あら、お義姉さん、そんなこと心配しないで。おばあさまとゆっくり過ごしてください。オークションハウスは今とても暇なんですよ!」