第45章 こんなに風情がないなんて、あの子は知ってるの？

子犬のように熱心な様子に、瑠璃は最終的に面子を立てて数個のバッグを選び、ついでにドレスも何着か買った。

二人の大社長と一人の甘やかされた若旦那が全員彼女のために袋を持っている様子を見て、多くの女性たちが羨ましさで泡を吹いていた。

「陸田家は瑠璃のことを本当に甘やかしているわね！ショッピングモール中の高級ブランド品を好きに選ばせるなんて！」

「お金持ちの世界は想像もつかないわ……」

「瑠璃はあんなにハンサムな旦那様と義理の弟さんを毎日見て、どんな気分なんだろう？」

陸田邸に着いたのはすでに午後だった。

瑠璃は陸田家の使用人を何人か呼び、お金を整理して全額銀行に預けるよう指示した。

好奇心はあっても、誰も余計な一言を言う勇気はなく、皆お札を抱えて外に運び出していった。

四人とも身体中がお金の匂いで満ちていた。謹言は軽度の潔癖症があり、車から降りるとすぐにシャワーを浴びに行った。

子墨も立ち去った後、瑠璃は素早く逃げようとしていた弟を捕まえ、狐のように笑った。「花之助、私たちの賭けって何だったっけ？」

花之助は柔らかい声で「お義姉さん〜女神様〜今回だけは許してください！」

「甘えるのは恥ずかしいし、可愛く振る舞っても無駄よ！」瑠璃はトランクから前もって用意していた衣装一式を取り出した。仙気漂う漢服と頭飾りで、興奮して急かした。「着替えて、メイク道具も持ってきたわよ！」

花之助は「……」

瑠璃に大きな罠を仕掛けたつもりが、まさか自分が落ちるとは！

謹言はシャワーを浴び、別荘から出てきた。無意識のうちに湖畔のテーブルで何かをしている瑠璃の姿が目に入り、自然とその方向に歩いていった。

緑の木々の間で、元妻は細い筆を持って少年の額に花の模様を描くことに集中していた。そよ風が吹いてきて、彼女の前髪が軽く揺れ、まつげがパタパタと動き、横顔が特に優しく見えた。

その瞬間、彼はなぜか…花之助が羨ましく思えた。

「お義姉さん、あなたは女媧の手を持っているの？すごく美しい、自分に恋してしまいそう！」花之助は小さな鏡を手に取り、あちこち見回して、女の子に扮した自分がこんなに清楚で可愛いとは思ってもみなかった。

少年の興奮した様子を見て、瑠璃は筆を持つ手が震えた。

男の子には誰でも女装の夢があるという…。