鈴木瑠璃はベッドに横たわりながらSNSを閲覧していると、アレンがトレンド入りしていることに気づいた。
クリックして見てみると、アレンがインスタグラムに豪華ホテルの写真を投稿し、「スイートハートとの次の出会いが待ち遠しい」というキャプションを添えていた。
アレンは常に人気が高く、下には熱狂的な女性ファンや男性ファンが次々と最初にコメントを残していた。
「アレン見て!スイートハートの写真も見せて!」
「わぁあ!きっと細い腰に長い脚の天使みたいな女の子だよ!」
瑠璃は少し意外に思った。アレンが彼女に対して友好的な態度を示していたのは、単なる礼儀からだと思っていたのだ。
瑠璃がコメントを読んでいると、画面に大山以人からの着信が表示された。
「もしもし、女神さん、今時間ある?縁結びを占ってほしいんだけど!」
瑠璃は怒鳴った。「暇!じゃない!」
恋愛は確かに社会の進歩を妨げる最大の敵だな!
大山以人の知能はもはやマリアナ海溝レベルじゃないか!
「女神さん、実はね、好きな女の子の誕生日がもうすぐなんだ。何をプレゼントしたらいいか占ってもらえないかな?」
瑠璃は「女神」という言葉を聞いて、こめかみがピクピクと痙攣した。
頭の中に、自分が幡を持って露店を出し、片手で髭をなでながら人の運勢を占う姿が浮かんできた……
瑠璃は頭に黒い線を浮かべながら、「やめときなさい、独身犬!じゃあね!」
さっと電話を切った。
30秒も経たないうちに、以人は再び電話をかけてきた。そして2回目に切られた後も諦めずに3回目の電話をかけてきた。
電話に出るなり、瑠璃がまた切ってしまうのを恐れた以人は、彼女が口を開く前に先に叫んだ。「一回十万円払うよ!!報酬を支払うから、足りなかったらもっと追加してもいい!」
瑠璃の瞳に抜け目ない光が走った。この大山様はお人好しでお金を持て余しているのか?
「コホン……お金の問題じゃないわ、大事なのは人助けの精神を広めることよ!いいわ、引き受けるわ!」
瑠璃は何でも話し合える口調で言った。
以人の哀れっぽい口調は、緻密な思考を持つ心理医師のものとは全く思えなかった。「ありがとう、本当にありがとう。君は美しいだけじゃなく心も美しい、前に誤解していてごめん。じゃあよろしく頼むよ、女神さん。僕は本当にこの恋を大切にしたいんだ!」