[さっき陸田謹言がホテルを買い取って楚田汐にプレゼントすると言ったのに、次の瞬間にはホテルのオーナーが鈴木瑠璃になってる。前夫くん、顔が痛くないの?ははははは]
[批判するわけじゃないけど、私だけ鈴木瑠璃が少し主役を食ってる気がする?楚田汐の気持ちも考えるべきでしょ!]
[上のアンチは黙って!楚田汐が私たちの瑠璃の男を奪った時、彼女の気持ち考えた?]
……
小山星河が現れると、それまで鈴木瑠璃に同情的だったコメントや議論が徐々に消えていった。
こんなにイケメンな弟が二人もそばにいるのに、おじさんの陸田謹言なんて要らないでしょ!
子犬系や狼系の若い男の子の方が魅力的じゃない?
たちまち、芸能界の若手イケメンたちが次々と顔を出してきた。
「鈴木社長、私は映大演技学部の陣内哲です。将来、木村劇場と契約できる栄誉を願っています」
「鈴木社長、演劇学院の周防科です。今年十八歳になります。お誕生日おめでとうございます!」
「鈴木社長……」
次々と差し出される名刺は途切れることなく、どれもこれも容姿も雰囲気も一級品で、周りの女性たちは嫉妬で目が赤くなっていた。
これが女社長の幸せってやつ?!
小山星河は黒の正装で瑠璃の向かいに座り、唇の端を軽く上げ、何気なく水を飲みながら、まるでお気に入りの妃のような態度だった。
島井凛音はさすがに落ち着いていて、冷静に瑠璃の右側に座り、右足をかっこよく左足に乗せ、手でトランプをいじっていた。
自分の地位が危うくなることなど全く心配していない様子だった。
結局、彼は姉と朝から晩まで一緒にいられる唯一の人間なのだから。
こんな野良男たちが勝てるわけがない。
招待されて誕生日パーティーに参加している一線級、二線級のセレブの中には木村劇場のタレントもいた。
今、白石塵は会社のタレントたちが皆瑠璃に取り入ろうとしているのを見て、軽蔑したように冷ややかに笑った。
見てみろよ、この程度の出来か!
俺は流されない高嶺の花でいるぞ!
「塵さん、鈴木瑠璃はあなたのスポンサーなんだから、挨拶くらいしに行かないの?」業界の仲の良い男性タレントが近づいてきた。
白石は高飛車な態度で言った。「俺が頭を下げるのはたった一人だけだ」
「誰?」
「野さんだよ」