第115章 藤原宴司の嫉妬心(一更)

深谷千早と藤原宴司は病室で座り、食事をしていた。

二人とも何も話さなかった。

千早は突然、宴司がどうも不機嫌を溜め込むのが好きなような気がした。

なんだか、彼が小姑みたいじゃない?!

うーん。

きっと気のせいだ。

この人の戦闘力は驚くほど高いのだから。

夕食を終えると、千早はゆっくりと部屋の中を動き回り、食べたものを消化させていた。

宴司も帰らず、隣のソファに座ってスマホを見ながら時間を潰していた。

30分後、千早は簡単に身支度を整え、ベッドに横になった。

「宴司、まだ部屋に戻らないの…」

宴司は彼女の洗面所に向かい、しばらくして出てくると、そのまま彼女のベッドに横になった。

千早は宴司の異常な行動を見て、「今夜、何かに取り憑かれたの?一人でキングサイズのベッドで寝る方が快適じゃない?」

宴司は体を反転させ、布団をかぶって寝た。

千早は少し呆れた。

この人、なんだか意味不明だ。

彼をベッドから押し出そうとしたその時。

「千早、今日は誰のせいで俺が蛇に噛まれたのか忘れたのか?!」宴司が突然口を開いた。

千早は唇を噛んだ。

こいつ、道徳的に縛ろうとしてるのか?!

「あなたがなぜ私のベッドに入り込む必要があるのか理解できないわ」千早は呆れた。

彼女は体を反転させ、宴司に背を向けた。

どうしても納得がいかない。

ベッドはそれほど大きくないし、二人で寝ると窮屈だ。

それに普段は家でも別々に寝ているのに、宴司が突然彼女に対して感情的な依存を持ったとは思えない。

理解できない。

もう考えるのはやめよう。

寝よう。

千早は一晩中苦労したせいで、今はとても眠かった。

すぐに規則正しい呼吸音が聞こえてきた。

宴司は千早が眠ったのを感じると、ゆっくりと体を反転させ、そっと手を伸ばして千早を抱きしめた。

千早は不快そうに少し動いたが、あまりにも疲れていたため、特に抵抗せず、うとうとしながらそのまま眠ってしまった…

翌日。

千早はまだ熟睡していた。

病室のドアが、そっと開いた。

徳永颯は早朝勤務を終え、千早を見舞いに来ていた。

部屋の中でまだ寝ている気配を感じ、彼も起こさないようにした。

帰ろうとした瞬間、ベッドの上に二人の姿があるのを見た。

胸が、少し痛んだ。