深谷千早はVIP室に戻った。
「温子、選んだ?」
「早く見て!」小林温子は今VIPソファに座り、とても興奮した様子で深谷千早を呼んだ。
千早は温子が素敵な服を選んで興奮しているのだと思ったが、近づいてみると温子が彼女の会社が新しく投稿した短編動画を見ていることがわかった。
「千早、これはあなたの会社のアカウントでしょ?また話題入りしたわよ!」
千早は眉をひそめた。
これは昨日の藤原蘭ジュエリーの夜会を評価する短編動画ではないか?!
彼女が外出する時にアップロードしたばかりなのに、今すでに80万以上のいいねがついていた。
彼女は急いで携帯を取り出し、周子が30分前に彼女にメッセージを送っていたことに気づいた。この動画がすでに爆発的な人気を集めていると。
「下のコメントを見て、みんなあなたの評価が専門的で、美的センスと鑑識眼が満点だって言ってるわ」温子は見ながら笑った。「あと、人を怒らせることを恐れないのかって!」
千早も動画とコメントを見ながら、淡々と言った。「私は客観的に評価しただけよ」
「正直に言って、白井香織の服装についての評価に感情は入ってなかった?」温子はずる賢そうに尋ねた。
「ないわ、客観的事実よ。私はプライベートと仕事をきちんと分けるタイプだから」
香織のその夜の服装に対する評価は確かに高くなかった。
第一に、彼女がオートクチュールを着ていないことを直接指摘し、彼女が現在エンターテイメント業界でハイエンドブランドの影響力が不足していることを暗示した。
第二に、ドレスが彼女の「エンターテイメント界の唯一の純白ジャスミン」というイメージと一致していないこと。
第三に、姿勢が優雅で適切ではなく、自分の体型を見せたいのに恥ずかしそうに隠している様子が、貧しい人には見せたくないけど金持ちには見せたいという既視感があること。
この三つの評価が、彼女の短編動画と白井香織を話題入りさせた。
千早と温子が話している間に、すでに香織のファンが短編動画の下でわめき始めていた。
「削除して謝罪して!なぜ私たちの推しをそんな風に言うの」
「これは私たちの推しへの侮辱よ、服装は個人の自由でしょ、なぜそんなことが言えるの!」
「私たちの推しは何を着ても素敵よ、あなたみたいなブスは何を着ても醜いと思ってるの?!」