第123章 小林温子の舌戦群儒

春野鈴音はこの時になってようやく、手の甲の火傷に気づいたようだった。

彼女は少し気まずそうに笑い、無意識に手を後ろに隠しながら言った。「大丈夫です、あとで軟膏を塗れば良いだけですから、ありがとう」

小林温子もそれ以上は何も言わなかった。

彼女は鈴音に対して主観的にあまり良い印象を持っていなかったが、突然彼女が大きく変わったことに気づき、何とも言えない気持ちになった。

鈴音は脇に下がった。

宴席は温子のおかげで再び賑やかになった。

「今日は皆、飲まずには帰らないよ」温子は豪快に言った。

「いいね」曽根真一はもともと酒好きだったので、温子がそう言うのを聞いて、もちろん積極的に応じた。

全員が飲み始めた。

深谷千早も例外ではなかった。

どうせ温子がいる場所では、彼女は逃げられないのだから。

とはいえ、たまにこうしてお酒を飲んで気持ちをリラックスさせるのも、悪いことではないかもしれない。

数人は皆、興が乗って飲んでいた。

温子の酒量と酒の勧め方なら、本当に何人かを潰してしまうかもしれない。

千早は諭した。「少し控えなさいよ。今日はあなたがホストなんだから、イメージに気をつけて」

「知るもんか!人生得意須尽歓、なんで自分をこんなに苦しめなきゃいけないの」温子は無頓着に言い、またグラスを持ち上げた。「あなたと藤原宴司に一杯」

宴司は曽根たちと話していたが、自分の名前を聞いて振り返り、自然にグラスを持ち上げた。

千早もグラスを持ち上げた。

温子にこんな風に乾杯されるのは少し気が進まなかったが、温子が飲みたいときは何かと理由をつけてくるので、断るのも面倒だった。

どうせ最後は飲むことになる。

その瞬間、温子がこう言うのが聞こえた。「あなたたちが早く離婚できますように」

「ぷっ」曽根は隣で笑い死にしそうだった。

宴司の表情が曇った。

彼はグラスを置いた。

千早はむしろ喜んで「それじゃあ、あなたの言葉に甘えるわ」と言った。

二人は一気に飲み干した。

他の人たちは皆、笑いをこらえられなかった。