第126章 浅浅が娯楽施設に忍び込む

同僚たちが彼女に取材を任せた理由はとても単純だった。

「あなた、すごいじゃない？あの女優の道枝真凛にまでインタビューできたんだから、この新人スターくらい難しくないでしょ？！」

「あなたが行かないなら、私たちのチームで誰がそんな力を持っているっていうの？」

「今田さん、この仕事はあなたに任せるわ。私たちを失望させないでね！」

……

こうして、この任務は自然と今田由紀の肩に降りかかった。

由紀は非常に憂鬱だった。同僚たちが全員帰宅した後も、彼女は椅子に座ったまま落ち込んでため息をついていた。「どうしよう？前回は母が道枝真凛を知っていたからインタビューができたけど、今回は渡辺美紀と彼女の愛人を取材しろだなんて…こんなニュース、堂々と取材できるわけないじゃない。これって私をいじめてるようなものよ…」

この渡辺美紀については、彼女も聞いたことがあった。ここ数日、各テレビ局や新聞、雑誌には彼女についての紹介が載っていた。

成人したばかりで青春ドラマ一本で一躍有名になり、現代の新進気鋭のスターとなった。

しかし、彼女は十分に神秘的で大物だった。各メディアは彼女のスキャンダルを掘り出そうと必死だったが、この人は撮影現場や会社を離れると、まるで蒸発したかのように完全に姿を消してしまう。

部署からはベテラン記者が何人か派遣され、張り込みや密かな調査を長い間続けた結果、ようやく少しの情報を得ることができた。

それは、毎週末この渡辺美紀が疋田市最大のエンターテイメント施設である幻夢に行くということだった。しかし、その場所は上流社会の人々が集まる場所で、VIPカードがなければ入ることができない。

そのため、ベテラン記者たちは渡辺美紀がいる可能性のある場所を探り出したものの、自ら中に入って確認することができず、諦めていた。

「幻夢？！エンターテイメント施設だって？あなたたちが入れないのに、私がどうやって入れるっていうの？これって私が貧乏だからいじめてるんじゃない？あそこは消費がとても高いし、私が入れないだけじゃなく、仮に入れたとしても場所が広すぎて東西南北もわからなくなるわ。迷子になってトイレに行きたくなっても、トイレのチップすら払えないかもしれないわよ！冗談じゃないわ！私をからかってるの？」