第201章 浅浅の高熱が下がらない

榎本剛が去った後、泉里香は完全に呆然としていた。今どうすればいいの?

彼女は今田由紀を破滅させようとしたのに、最終的に破滅したのは自分自身だった!

彼女を苦しめたあの男たちのことを思い出し、里香の目はすぐに毒々しく凶暴になった。「高橋美奈は?!高橋美奈はどこにいるの?!!!」

あの男たちは美奈が連れてきたのだ。彼女は美奈に問い詰めなければならない。なぜ由紀を破滅させるはずの男たちが、自分をベッドに連れ込んだのか!

しかしこの時、美奈は里香の醜聞を知ると、すでに佐藤大翔を連れて立ち去っていた。

由紀を破滅させることができなかったのだから、彼女は里香の詰問を聞くために残るつもりはなかった。彼女は佐藤家の人間だ。里香には証拠がない。たとえあの男たちは彼女が手配したものだと言ったとしても、誰が信じるだろうか?

それに、彼女は由紀を害するために男たちを連れてきたのであり、彼女自身が首謀者なのだ。だから美奈は確信していた。里香は歯を食いしばって黙るしかなく、絶対に彼女の名前を口にしないだろうと。

……

車がアパートに到着すると、佐藤陸は自分のスーツの上着を今田由紀にかけ、慎重に彼女を車から抱き出した。

由紀は道中ずっとぼんやりとして、口では「嫌、嫌」と怖がっていた……

陸は後悔でいっぱいだった。彼女が臆病だと知っていたのに、こんなに怯えさせてしまうとは思わなかった。

彼は由紀がただ里香の末路に怯えているだけだと思っていたが、実際には由紀は里香と男たちの映像を見て、自分が誘拐された時の光景を思い出していたのだ。

さらに以前の美奈の脅しもあり、心の傷があまりにも深かった……

このような刺激で、由紀は怯え、道中で体が熱くなり、うわ言を言い始めた。

「いい子、いい子、怖くないよ、大丈夫。全部陸兄さんが悪かったんだ。僕が間違っていた。もっと早くキミを連れ出すべきだった。キミが臆病だと知っていながら、こんなものを見せてしまった。全て僕のせいだ……」

陸は由紀のドレスを静かに脱がせ、快適なパジャマを着せ、ベッドに座って彼女を完全に胸に抱きしめ、絶えず慰めていた。

かかりつけ医の森信弘がドアを開けた時、彼は驚きのあまり目が飛び出しそうになった。