真昼間から、陸兄さんは何をするつもり?
「ふふ、何もしないよ、ただ…お前をするだけさ!」
「あっ…陸兄さんったら最低よ、どうしてこんなことするの、昨日の夜だって…」
今田由紀が少し抵抗したが、佐藤陸が彼女の腰のある一点を軽く摘むと、彼女はたちまち力が抜けた。
体が思わず熱くなり始め、小さな顔は火照り、真っ赤になって恥ずかしそうに顔を背けて陸を見ようとしない。
「いい子だね〜恥ずかしがらなくていいよ、陸兄さんには見えないんだから」
「見えなくてよかった、でないと…」由紀は小声でつぶやいた。
陸は彼女の言葉を聞いて、思わず口元を緩め、深い黒い瞳で彼女の艶やかな顔を見つめ、身を屈めて彼女の唇を奪った。
「んっ…」
……
由紀は夕方まで眠り続け、やっと目を覚ました。朦朧とした目を開けると、昼間に陸兄さんと何があったのかを急に思い出した。
「今田由紀、あなたってほんとにバカね、どうして陸兄さんがこんな人だって気づかなかったの!体がすごく痛い、陸兄さんってほんとに意地悪、悪者!」
由紀は枕を抱きしめ、スリッパも履かずに素足のまま部屋のドアを開け、アパートの中で陸の姿を探し始めた。
陸はちょうど書斎でビデオ会議中だった。彼女が書斎のドアを開けると、枕を抱え、目は真っ赤に潤んでいて、その弱々しく愛らしい姿に、陸の下腹部にまた邪な火が燃え上がった。
彼はパソコンを閉じ、彼女に手招きした。「いい子、起きたの?おいで!」
由紀はドア口に立ったまま動かず、その潤んだ目で陸をきつく睨みつけ、手に持っていた枕を思い切り陸の頭に投げつけた。怒って叫んだ。「陸兄さん、これはあなたへの罰よ、ひどすぎるんだから!」
彼女は叫ぶと同時に背を向けて立ち去ろうとしたが、ほんの二歩も歩かないうちに、腰が陸の鉄の腕に掴まれた。
体が宙に浮き、彼の腕の中に抱き寄せられた。
「またスリッパ履いてないの?」
陸が尋ねた。
由紀は一瞬戸惑い、自分の素足を見て、陸を横目で見た。「履いてるわよ!」
もし履いていないと言えば、陸兄さんは怒るだろうし、きっとまた罰を与えるに違いない。そんなバカなことをして、陸兄さんにそんな機会を与えるつもりはなかった。
彼女は足を縮めて、嘘をついた。
陸には見えないから、彼女は自分の嘘がばれる心配はなかった。