第209章 どうして自分がまだ清らかだと確信できるの？

今田由紀は彼のその悲しげな口調を聞いて、すぐに顔を上げ、頭を何度か振った。「違います！」

「じゃあ、陸兄さんが目が見えないから、陸兄さんはこんな風に由紀ちゃんを気にかけたり、世話をしたりする資格がないと思っているのか。盲人は自分の面倒も見られないのに、お前のことを構う資格なんてない。そうだな、俺はただの役立たずの盲人だ。俺は…」

「違う違う違う、そんなことじゃないよ！！！！」

由紀はすぐに陸を抱き返し、彼の膝の上に座って、しっかりと抱きしめた。「もう言わないで、そんなつもりじゃないの。陸兄さん、ごめんなさい。もう嘘つかないから、そういう意味じゃなかったの。変なこと言わないで…」

「違うのか？」

「違います！」

「違うなら、お前が悪いことをして俺が罰を与えたのに、まだ陸兄さんに対して怒るのか？！」

陸は諭すように言った。

由紀は少し混乱していた。今や彼女は陸の言葉に振り回されていて、頭の中はまるで糊のようにぐちゃぐちゃで、陸が次に何をしようとしているのか全く分からなかった。

彼女はぼんやりと尋ねた。「私、陸兄さんに怒ってないよ！」

「お前は陸兄さんと別れたいと言って、陸兄さんはもういらないと言って、家出すると言った。それは俺を嫌になったからじゃないのか？」

「違うよ！私、いつそんなこと言ったの？」

由紀はますます呆然としていた！

「昨夜…」

由紀は昨夜のことを思い出した。熱を出してぼんやりしていて、自分が何を言ったのか忘れてしまっていた。今、陸兄さんが過去のことを蒸し返しても、そんなに多くのことを覚えているわけではなく、結局は陸が言うことがすべてだった。

もしかして本当にそんな傷つける言葉を言ったのだろうか。それは本当に不適切だった。

陸兄さんがあんなに彼女の世話をしてくれているのに、どうしてそんなことができるだろう。

「熱で頭がぼーっとしてたの。わざとじゃなかったの…うっかりしてただけ。陸兄さん、怒らないでね。」

「怒ってないよ。だから一晩だけお前を抱いただけだ。もし本当に怒ったら、お前は一ヶ月もベッドから出られなくなるぞ！」

「えっと…」

陸兄さんより下品で厚かましい男はいるのだろうか？