第072章 厚かましい屑の一団

柴田恵美は今田由紀に電話を切られた後、怒りで頭に血が上った。

手にしていた電話を投げ捨て、怒鳴った。「反抗してる！反抗してるわ！この今田由紀は本当に礼儀知らずね！私の電話を切るなんて、この生意気な娘！！」

「お母さん、由紀があなたの電話を切ったって言うの？彼女、頭がおかしくなったの？！」榎本美沙は驚いた表情で柴田恵美を見つめた。

柴田恵美は憤慨して言った。「彼女が何に取り憑かれたのか知るわけないわ。あの家柄と条件で、よくも兄さんに釣り合うと思ったものね。笑わせるわ！私はずっと彼女が私たちの家のお金目当てで来たって言ってたでしょ。兄さんが彼女を望まなくなったら、ほら、手のひら返しよ。ちょっとした頼みごとも聞いてくれないなんて。こんな女が榎本家に入りたいなんて、来世にでもなってからね！」

傍らのソファに座ってお茶を飲んでいた榎本隆史は首を振った。彼は心の中では由紀という娘が好きだった。

しかし、彼は家庭内での発言力がなく、妻と娘が由紀をこのように侮辱するのを見て、ただ無力に溜息をついた。

そのとき、榎本剛と泉里香が帰ってきた。奇妙な雰囲気を感じ取り、思わず尋ねた。「どうしたの？！」

剛を見た柴田恵美は、さらに怒りが増した。ソファに座り、眉をひそめて彼に言った。「何があったと思う？あの由紀という生意気な娘に腹を立てているのよ！」

「由紀？母さん、彼女に電話したの？！」剛は少し非難するような口調で尋ねた。「なぜ彼女に電話したんだ？！」

彼らはすでに別れたのに、母親がまだこうして由紀に執着するのはどうしてだろう。

「家の排水管が詰まったのよ。以前はいつも彼女が通してくれたでしょう。彼女は経験があるから、ちょっと手伝ってもらおうと思ったの。でも剛、あの娘は来ないだけじゃなく、私の電話を切る勇気まであるのよ。腹が立たない？」

泉里香はこの時、剛の隣に立ち、顔に怒りの色を浮かべていた。「別れたんじゃないの？どうして彼女をまだ家に呼ぶの？それはよくないわ！」

柴田恵美は里香を見て、やっと先ほどの自分の失礼さに気づいた。

里香は今や剛の婚約者であり、榎本家の嫁なのだ。彼女の前であの小娘の話をするべきではなかった。