第131章 ボスは頭がおかしくなったのか

村田城が個室のドアを開こうとした手が震え、眉をわずかに寄せた。

部屋中にたちこめるタバコの煙、床に散らばる空き瓶……

「パン」という音が突然響き、酒瓶が割れる音が鋭く耳に入った。ソファには一人の男が座り込んでおり、その男が今しがた壁に向かって酒瓶を投げつけたところだった。

粉々に砕けた破片が、少しずつ壁から剥がれ落ち、床に落ちていった。

ソファに座る男は、テーブルの上の酒を手に取り、再び口に流し込んだ。

ゴクゴクという飲む音が30秒も続かないうちに、次の酒瓶が壁に向かって投げられ、またもやパリパリと割れる音が響いた。

村田城は思わず冷たい息を吸い込み、足早に部屋に飛び込んだ。

再び酒瓶を手に取ろうとする男の手を、彼は素早く押さえつけた。

「ボス、正気ですか?」城は心の中の動揺を抑えながら、低い声で酒瓶を握りしめた。

星野寒はまぶたを持ち上げ、城を一瞥すると、その酒瓶を手放し、別の瓶を取って城の手にある瓶とぶつけた。

「一緒に飲もう……」寒は頭を後ろに傾け、非常に速いスピードで再び飲み始めた。

「カーン」と酒瓶がぶつかる澄んだ音に、城は手を震わせ、手にした酒瓶を置くと、一気に寒の酒瓶を奪い取った。

「もう飲むのはやめてください。この一ヶ月、毎日酒ばかり飲んで、昼間は会社の業務をこなし、一言一行が異常なほど正常。夜になると夜色艶香クラブに来て酔いつぶれる……一体どうしたんですか?何があったんですか?あなたはこんな風に普段と違う行動をとったことはないし、こんなに意気消沈したこともない……」城は眉を寄せ、焦りを隠せずに尋ねた。

多くの酒を飲んだにもかかわらず、寒の瞳は依然として澄み切っていた。その重瞳の中の輝きには、酔いの色は微塵も見られなかった。

寒はソファにだらしなく寄りかかり、ゆっくりと唇を曲げて微笑み、手を伸ばしてシャツのボタンを外し、魅力的な鎖骨を露わにして、突然湧き上がった胸の高ぶりを和らげた。

その軽い笑いに、彼の喉仏がゆっくりと動き、声はバイオリンのように澄んでいながらも、かすかに気づかれないほどの嗄れを帯びていた。

「ふん……意気消沈?城、本当に俺のことを言ってるのか?」