骨まで染みる冷たい風が寝室のカーテンを吹き開け、そっと初陽の身体に触れた。
初陽の体が微かに震え、骨の髄まで染み渡る寒さが全身を包み込んだ。
一瞬、まるで前世からの記憶のように、彼女の美しい瞳に薄い霧が立ち込め、徐々に視界を曇らせていった。
手のひらを強く握りしめ、彼女は必死に堪えていた。目から溢れ出そうとする涙を必死に抑えていた。
なぜだろう、なぜ彼女の冷たく硬い心が、あの人のために痛み、声も立てずに最も深く埋もれた感情を揺さぶられるのだろうか?
初陽は唇を強く噛みしめ、目尻の熱い涙を押し戻し、胸の中に渦巻く苦痛と不安を必死に抑え込んだ。
彼女はできる限り、自分を落ち着かせようとした。これまで貫いてきた初心を取り戻そうとした。
長い沈黙の後、村田城はついに初陽からの返事を聞くことができなかった。
城は胸が冷え切り、口の中が苦く感じた。
この瞬間、彼は本当に理解した。葉田初陽という女性の心は石のように硬く、万年解けない氷山のように冷たいのだと。
もし他のどんな女性でも、ある男性が命を懸けて守ってくれたなら、どんなに冷たく硬い心も溶けて感動するはずだ。
しかし、彼は初陽の中にそういった感動や心動かされる様子を見ることができなかった。
彼女の瞳は波一つ立てず、表情は冷ややかで、まるで全く関係のない、これ以上ない他人の生死の苦闘を聞いているかのように淡々としていた。
彼女はどうしてそんなに無情になれるのか、どうして自分の心を埋め捨てることができるのか?
そう、彼女には心などないのだ……
だが、今日は彼女を連れて行かなければならない。彼女が望もうと望むまいと。
城の漆黒の瞳に冷たい光が宿り、薄い唇を引き締め、冷淡さを帯びていた。
「お前が去ってから、ボスは高熱が下がらず、口の中で常にお前の名前を呟いている。彼はずっと『行かないで』と言い続けている……」城は言いかけて止め、声は震え、かすかに詰まっていた。
初陽の手は無意識に服の裾を握りしめ、心の奥が微かに痛んだ。
何かが心の中で静かに弾け、瞬時に粉々になった。
城は薄い唇を引き締め、顔に付いた冷たい雨水を拭い、軽く淡々と笑い始めた。