彼女の腰を抱く彼の腕は、とても強く、まるで彼女を彼の骨と血の中に埋め込もうとするかのように締め付けていた。
初陽の手は、ゆっくりと彼の衣服を握りしめた。
彼女はとても、彼の腰に腕を回し、思う存分彼の優しい庇護の中に浸りたかった。
しかし、彼女にはできなかった。目を閉じるだけで、前世で手術台に横たわり、血まみれになった自分の姿が見えるのだから。
彼女は再び彼の優しさに溺れることはできない。何も起こらなかったかのように振る舞うことも、あらゆる原則を捨て去り、わだかまりなく彼と再び一緒になることもできない。
彼女にはできなかった、本当にできなかった。心の中にまだ彼がいることを理解していても。
しかし、彼女は本当に自分の全てを彼に捧げることができなかった。
彼女の歯が彼の唇と舌にゆっくりと触れ、そして激しく噛みつき、抵抗した。
鉄の味がする甘さが、二人の口の中を行き来し、星野寒の動きはまだ少しも弱まっていなかった。彼の瞳に一瞬凶暴な嵐が閃き、抗いがたい勢いで、さらに狂おしい欲望が押し寄せてきた。
彼は制御を失ったかのように、彼女の柔らかく骨なしのような体を腕の中に押し付け、低く唸り声を上げると、唇と歯を彼女の雪のように白い首筋に移し、彼女の肌の滑らかさと美しさを吸い、貪った。
ほどなくして、彼女の首には青紫の痕が現れた。
初陽は痛みで歯が震え、小さく呻いた後、歯を食いしばって力強く寒の抱擁から逃れた。
一歩下がり、さらにもう一歩、彼から数メートル離れるまで、初陽はようやく体勢を立て直した。
彼女の瞳には迷いが浮かび、ぼんやりと寒を見つめていた。
寒は一瞬呆然とした。彼は抱擁が空になり、あの暖かく柔らかな、夢のような感触が突然消えたと感じた。
体の温度が一気に最低まで下がり、彼の瞳の底で輝いていた欲望が、徐々に消えて冴えわたっていった。
彼は足を上げ、初陽に向かって一歩、また一歩と踏み出した。
「初陽……」
しかし彼が彼女の名前を呼んだ直後、初陽はすでに素早く動いてドアを開け、一瞬で部屋の中に滑り込んでいた。
バンという音と共に、ドアが強く閉められた。
寒はドアの前に立ち尽くし、丸五秒間呆然としていた。
軽く結ばれていた薄い唇が、ゆっくりと弧を描き、瞳の底には煌めく光の破片が踊った。