石原山軒はガマ仙人

木村伊夜は顔を上げて彼を見つめた。

石原山軒は明るく爽やかで、黒髪が淡い光沢を放っていた。彼の瞳は明るく澄んでおり、唇は薄紅色で、しかし一抹の軽蔑を含んだ笑みを浮かべていた。

少女は怒るどころか笑みを浮かべた。「確かに私は才能で人々を魅了したいと思っていたけど、あいにく顔が神がかっていて、私の機知を隠してしまうのよね」

木村伊夜は細長い指を顎に当て、わざとらしく物憂げな様子を装った。「実は私もかなり悩んでいるのよ」

石原山軒:「……」

こんなに厚かましい人間は見たことがない。

さっきは自分を仙女と称し、今度はまた自画自賛か!

「キツネ女」山軒は皮肉った。

入学したばかりなのに、みんなの魂を全部持っていってしまった。しかも何気ない素振りで。なんて手の込んだやり方だ!

「じゃあ、あなたは何なの?」伊夜は唇を曲げた。「ヒキガエル男?」

「お前……」山軒は激怒した。

彼は幼い頃から手のひらで大事に育てられ、三番目の兄がよく表面上は脅かしていたが、それでも常に彼を守ってくれていた。

今まで誰も彼をこんな風に侮辱する勇気はなかった!

「おい、名前は何だ?」彼は不機嫌そうに尋ねた。

「仙女よ」伊夜は真面目な顔で答えた。

山軒は言葉を失い、彼女を数回ちらりと見た。

この少女は見覚えがなく、どこかのお嬢様のようには見えないし、子役でもなさそうだ。一体どこから現れた野草なのか。

彼は歯ぎしりしながら彼女を睨みつけた。「いいだろう、仙女だろうがキツネ女だろうが、覚えておくからな!」

ただ綺麗なだけじゃないか。いつか皆、視覚的に疲れる日が来て、彼女が誰だったか忘れるだろう。

仙女だって……ふん!

どんな仙女でも三番目の兄の奥さんより綺麗なわけがない。

そういえば、三番目の兄嫁は今日入学手続きに来ているのだろうか。偶然会えるかな……

「おい、キツネ女、俺は18年度演劇学科の石原山軒だ。俺の名前をよく覚えておけよ」

言い終わると、山軒は自分のフェラーリに飛び乗り、再び水しぶきを上げて走り去った。

伊夜は今回素早く身をかわし、再び汚水を浴びることを免れた。「意味不明ね」

彼女が歩き出そうとすると、背後で小さなささやき声が聞こえた。

「さっきの男の子、すごくかっこよかった……」

「演劇学科の人、本当に顔面偏差値高いよね!」