病み系美少年の先輩加藤吉平

少年の碧色の瞳には、霧のように淡く優雅な星の光が輝き、桜の花びらのような唇は薄いピンク色を帯びていた。

彼は目を伏せ、長いまつげが軽く二度震えた。

「どうぞ」彼は自分の上着を脱ぎ、木村伊夜の手に差し出したが、その視線は常に鎖骨チェーンに留まっていた。

少女は不思議そうに目を落として天使の瞳を見た。

「これが好きなの？」伊夜は自分の首元を指さした。

少年は軽く下唇を噛み、さらに目を伏せて淡い影を落とした。「縁があるんだ、着て」

伊夜：「……」

何かたくらんでる？どこからやって来た妖艶な子なの！

彼女は手を振って拒否の意を示した。「ありがとう、でも結構よ」

彼女はこのあと薔薇園に戻って宵月司星の世話をしなければならない。すでに彼をもう一生愛することを決めたのだから、当然他の男性の好意は受け入れられない。

この程度の自己防衛本能は、伊夜にもあった。

「君は…僕を嫌っているんだね」少年の指先がわずかに強張り、彼の瞳の色は徐々に暗くなり、少し陰鬱さも帯びていた。

その陰鬱な表情は、先ほどの子犬のような様子とは全く異なり、まるで別人のようだった。

伊夜は少し頭を抱えたくなった。「若いの、私たちは知り合いじゃないし、本当にあなたの服は必要ないの」

彼女の言葉が終わるか終わらないかのうちに、少年はゆっくりと顔を上げた。

澄んだ碧眸に、徐々に薄い水気が浮かんでくる。「君は僕を嫌っている」

同じ言葉を、彼は繰り返した。

伊夜：「……」

この人、あまりにも奇妙すぎるんじゃない？

でも彼女には完全に理解できた。少年がこんな行動をとる理由は、きっとただ一つ！

「私の美貌に目をつけたの？」伊夜は首を少し傾げた。

確かに今日は多くの人の目を奪うほど輝いていたし、入学初日から控えめにしようとはしなかった。

少年は少し躊躇した。

彼は呆然と彼女を見つめ、カールした長いまつげが優雅に二度ばたついた後、首を横に振った。「違う」

「僕の方が美しい」少年は真剣に答えた。

伊夜：「……」

このガキ、彼女を醜いと言ったのか。しかも男が女と美しさを競うなんてどこにある？

まあいい、目の利かない人とは話したくない。

「着て」伊夜が心の中で猛烈に文句を言っている時、少年は再び上着を差し出した。

彼はこの件について、少し偏執的なほどこだわっているようだった。