「私にまだ露出度が必要なの?」

杉山由夏は腰に手を当てて怒り出した。「知らないわよ、ニュースはもう出ちゃったんだから、バララエネルギーを使ってでも、コンサートの前に新曲を出してもらうわよ!」

木村伊夜:「……」

バララエネルギー、本当に考えてみる価値があるかも。

相手の長い沈黙に気づいて、由夏は目を白黒させた。「木村伊夜、本気で魔法使いのこと考えないでよ!」

彼女は知っていた、伊夜がきっと楽しい妄想を始めたことを。

ダラダラと寝そべっているだけで新曲が出来上がり、作詞作曲する必要もなく、レコーディングスタジオに行く必要もない……ちょっと素晴らしい考えだ。

「わかったわよ、曲を書くわ」伊夜は仕方なく降参した。

でも、これはインスピレーションと雰囲気が必要なことだ。

いつ書き上げられるかは……また後で考えよう。

「それにね、あなたはもう露出が全然ないわよ。イベントにも参加しないし、話題作りもしない!ちょっと考えてみなさいよ……まだこの業界でやっていく気あるの?」

由夏は怒り心頭で足踏みした。

才能があるのに寝そべってばかりのアーティストを見たことがあるだろうか?

とにかく伊夜はそういう人だ。悪魔のような体型を持ちながら、引きこもりのような生活を送り、向上心がない。

「え、私にまだ露出が必要なの?」伊夜は指を噛みながら、とても率直に尋ねた。

杉山由夏:「……」

まあ、確かに彼女には必要ないかもしれない。

でも彼女は腹が立つのだ。毎日宦官のような心配をして、天皇が政務を気にせずのんびりしているのを見ると……本当に腹が立つのだ!

「もういいわよ、からかってただけ!」伊夜は笑いを抑えられなかった。「皇家芸術学院の歌唱コンテストで、杉本唯奈がメイン審査員なんでしょ?」

「うん」由夏は答えた。「興味ある?」

皇家芸術学院の校内イベントは規模が大きくないが、杉本唯奈を招待し、さらに子役の北村美晴も参加するため、例年に比べて影響力が強くなっていた。

伊夜は明るく笑った。「もし私がメイン審査員になれるなら、興味を持つかもね」

結局、彼女は杉本裕子に約束したのだから。

彼女にしっかり参加してもらって、あとは全部自分に任せるようにと。

伊夜は友達のために便宜を図るつもりはないが、唯奈が意図的に彼女の成績を下げることも許さないつもりだ。