宵月司星、やはり弱みがあるね

翌日の朝。

木村伊夜は片腕で宵月司星の首に絡みつき、白く滑らかな魅惑的な長い脚も彼の上に乗せていた。

まるでタコのように、彼に絡みついていた。

「んん……」

少女は何の夢を見ていたのか、チェリーのような小さな唇をもぐもぐさせ、柔らかな唇が男の体に触れ、艶やかな舌も落ち着きなく伸ばして、探るように舐めていた。

司星は全身がしびれるほどの快感に包まれた。

血液の中を電流が走ったかのように、彼はすぐに目を覚ました。

墨のような瞳がゆっくりと開き、体に伝わる柔らかな感触、そして隣に横たわる人の存在が、昨夜のすべてが夢ではなく、現実に起きたことだと証明していた。

司星は心地よい気分だった。

彼は薄い唇を軽く曲げ、長い腕で伊夜を抱き寄せた。

「んん……」少女は小さく鳴いた。

彼女は司星の胸元に顔をすり寄せ、すぐにぼんやりとしながらも彼にさらに密着した。「司星……」

夢の中で、彼女は呟いた。

「司星、私は本当に……本当にあなたが大好き……」

伊夜の寝言に、司星の体は突然硬直した。彼は目を伏せて腕の中の彼女を見つめると、一筋の透明な涙が目尻からゆっくりと流れ落ちるのが見えた。

司星は眉をわずかに寄せた。

指先で彼女の頬を撫で、ゆっくりと上へ移動させ、彼は彼女の涙を拭い去った。一瞬、胸が痛んだ。

彼を愛していると認め、そして彼が彼女のそばにいるのに……

なぜ泣くのだろう?

「星夏、俺も君を愛している」司星は彼女の額に軽くキスをした。朝一番の声はやや掠れていた。

彼は彼女をずっと愛し、ずっとそばにいるつもりだった。

だから、彼女は泣くべきではない……

「うん……」伊夜は小さく返事をした。

彼女が本当に司星の言葉を聞いたのか、それとも夢の中の出来事に反応したのかは分からない。

とにかく、彼女は体を反転させ、再び深い眠りに落ちていった……

木村氏邸。

木村凪咲を監視する黒服の男たちは、彼女に外出の自由を許可したが、条件として常に誰かが彼女に付き添い、時折の外出や田中祐介の任務を遂行することを許可した。

「凪咲、これは田中から君に送られた小包だよ」高橋誠は段ボール箱を抱えて凪咲の部屋に入ってきた。

黒服の男たちは自然と道を開けた。