チャプター2:絆

翌朝はゆっくりとやってきた。新しい一日の夜明けとともに。太陽の暖かな光が森を照らし、コンナーの心にはない静けさをもたらしていた。彼はそこに座り、冷たく硬くなった、とうの昔に亡くなった母の遺体を抱きしめていた。彼の周りの炎はとっくに消え去り、かつて栄えた部族の跡には灰と瓦礫だけが残っていた。

暖かな鼻先が、血に染まったコンナーの手を小さくつついた。昨日見つけたあの小さな子犬だった。子犬はくぅんと鳴きながら、もう片方の手を何度も鼻でつつき、助けてくれた少年を動かそうとしていた。コンナーは彼女の動きを無視して、再び腕の中の遺体を見つめた。子犬はうなるようにして、鋭く鳴いた。

「どっか行けよ……」少年はかすれた声でつぶやいた。子犬は何度か鳴いたが、それでも反応は返ってこなかった。腹を立てたように、彼女はコンナーの手に強く噛みついた。

青髪の少年は痛みに顔をしかめ、心の暗闇から引き戻された。犬を引き剥がそうとして、コンナーは母を手放し、子犬を叩き払ってしまった。子犬は少年の手を離し、痛そうに鳴いた。

コンナーはすぐに噛まれた手を確認し、うめくように鳴く犬へと怒りを込めて向き直った。

「どうして——」次の言葉は喉の奥で凍りついた。

目の前で、子犬が怯えた様子で彼から距離を取ろうとしていた。その姿を見て、コンナーは——

「最低だ……」少年はつぶやいた。

まるで、自分がこの村を焼き払った連中の一人になった気がした。すぐ後ろに横たわる死体のような、コンナー自身が殺した誰かと同じ存在に。

その比較に、彼の喉には嘔吐感がこみ上げた。母さんなら、きっと失望しただろう。

赤い瞳が、再び子犬を見つめた。戸惑いながらも、コンナーは拳を握り、目を逸らして、道の方を睨んだ。

「行けよ。」彼は今度ははっきりと声を出した。

まるで理解したかのように、子犬はくるりと背を向けて森の中へ消えていった。コンナーは一人になった。

少年は鼻をすんとすすり、歩き始めた。たとえ噛まれたとしても、あの子犬が自分を惨めな状態から引き戻してくれたのだ。もうすぐ十三になるコンナーには、これ以上ぼんやりしている暇などなかった。

なにより、彼は母と約束したのだ。マエラを見つけると。

まず少年は、広場のあちこちにいくつもの墓を掘った。そして、部族の仲間たちの遺体を埋葬した。部族の伝統に則った正しい弔いはできなかったが、それでもせめて、誰にも遺体を見つけられないように埋めてやりたかった。

最後の埋葬を終えたのは午後の中頃だった。若い少年は空腹と疲労に襲われていたが、まだやるべきことは終わっていなかった。今休んでいる場合ではない。

長い髪を束ねたコンナーは、瓦礫の中を探し回り、使えそうな物を集め始めた。

多くのユルト(移動式住居)は焼け落ち、中には何も残っていなかった。しかし、叔父のロハンの家のように、いくつかの住居には多少なりとも使えるものが残っていた。そこからコンナーは、着替えられる何着かの服を見つけた。彼には少し大きかったが、少し縫えば問題なかった。

次に見つけたのは、武器帯、革製のポーチ、干し肉のジャーキー、チーズ、そして水筒だった。コンナーはさらに探し続け、自分の半分焼けた家に戻ってきた。

嗚咽をこらえながら、少年は家の中に入った。母がいつもベッドの後ろにある緩んだ床板の下に物を隠していたことを思い出していたのだ。床板を慎重に外し、半分土に埋もれた見慣れない小さな箱を掘り出した。

しばらくためらった後、少年はそっと箱を開けた。中にはさまざまな小物が入っていた。赤い涙型の宝石がついた銀の片耳のイヤリング、去年マエラが母に贈った半ば枯れかけの花、そしてかつてコンナーが母に渡した小石。彼はそれらを丁寧にどかしながら、金色の封蝋で封された手紙に手が触れた。

コンナーは箱を脇に置き、手紙を破いて開いた。彼の目は一心に行を追ったが、その言語は理解できなかった。それでも彼の名前が何度も登場し、若き日の母の息を呑むような肖像画が描かれていた。その耳には、さっきの涙型のイヤリングが輝いていた。

彼はそのイヤリングを手に取り、自分の耳に通した。再び手紙に視線を戻し、肖像画の輪郭をなぞるように指を滑らせた。堪えていた涙が、ぽろぽろとこぼれ落ちた。母が恋しかった。しかし、感傷に浸る間もなく、外から小さな物音が聞こえた。

すぐに警戒した少年は、手紙を封筒に戻してポケットにしまい、音のした方へと静かに近づいていった。

半壊したユルトからそっと覗くと、土の塊のようなものが、大きな魚を引きずろうとしては失敗していた。それを見て、コンナーはすぐにあの子犬だと気づいた。

驚いて、思わず声が出た。

「何してんだ?」

茶色い土の塊はびくっと飛び跳ね、慌てて振り返ると、同じく汚れた少年の姿を見つけた。

「キャン!!」子犬は尻尾を振って鳴いた。「キャンキャン!!」魚を再び引きずり始めた。

「これ、俺のために?」少年が尋ねると、子犬は口を塞いだまま「キャン!」と応えた。

コンナーはユルトの外に出て、魚を受け取った。子犬はようやく魚を彼の前まで運び終えると、誇らしげにその隣に座った。少年の口元には、自然と笑みが浮かんだ。

「ありがとう」彼はつぶやき、そっと犬に手を伸ばした。子犬は叩かれると身構えたが、コンナーは彼女を優しく撫でた。「叩いてごめんな」そう付け加えた。

子犬はただ、その手に身を寄せるだけだった。そして、少し落ち着いたコンナーは、これからどうすればいいのか考えた。

もう家はない。母と約束した通り、マエラを見つけなければならない。でも、どうやって? 神様、彼はまだ十三にもなっていないんだ。

足元で何かが動く気配がした。見下ろすと、子犬が彼の膝の上に収まり、運んできた魚を夢中で食べていた。それを見て、思わず笑い声が漏れた。

「ははっ! おまえ、ほんとにさ——へへっ!!」

気分が少し和らいだコンナーは、子犬と魚を抱えてユルトへ戻った。今日できることはすべて終えた。もう夜も遅い。休む時間だ。これからのことは、また明日考えればいい。

ユルトの中、隅に敷かれた暖かい毛皮の上に、子犬と一緒に身を横たえた。赤い瞳が、まだ魚を食べている子犬に向けられる。

「通じるか分からないけど、ずっと“子犬”って呼び続けるのもな……」彼は話しかけ、少し黙った。すでに名前があるのかもしれない。でも、今ここで名付けることが正しいように感じた。

「名前、つけてもいいか?」

子犬の頭が勢いよくコンナーの方を向いた。首が折れるんじゃないかと思うほどに。銀の瞳が、まるで理解しているかのように彼を見つめていた。『通じてるのか……?』と彼は思いながら、子犬が魚を捨てて自分の前に座る様子を見つめた。

「名前だよ? いい?」もう一度聞くと、子犬は肯定するように鳴いた。奇妙なことだが、今は気にしないことにした。

彼の目は子犬の顔をじっと見つめた。銀色の瞳。汚れの下に覗く白い毛並み。

「ネーヴェ……」彼はそっとつぶやき、子犬――いや、ネーヴェに手を伸ばした。

「君の名前はネーヴェだよ」そう言って、白い毛を撫でた。ネーヴェは鳴いて応え、その瞬間、氷のとげが血管を駆け巡るような感覚が体を貫いた。すぐに消えたが、コンナーは息を呑み、何か本当に魔法のような出来事が起きた気がした。けれど、彼には何が起きたのか分からなかった。

だから今は深く考えるのをやめ、ネーヴェを胸に引き寄せて、暖かな毛皮の上に身を沈めた。今夜は休もう。それ以外のことは、明日から考えればいい。

そして二人は眠りについた——過去の幸せな日々を夢見ながら。