第3章:3星洞で師を拝む

石猴は斜月三星洞がどこにあるのか分からず、ただ本に書かれた道筋を頼りに探すしかなかった。

石猴は西へ向かい南贍部洲を横断し、万里の長城を通り、小さな県を巡り、筏を作って西洋大海を渡り、西牛賀州の地に到達した。

二百年も早く来たため、当然ながら道を教えてくれる樵夫には会えなかった。

樵夫に会えなくても、石猴は朝に食事をし夜に休み、本を友として、名山を遍く訪ね、一心に道を求め、少しも心が揺らぐことはなかった。

そうして何年も探し続けたある日、石猴が一つの高山を巡っていると、突然崖頭に石碑が立っているのを見つけた。そこには十個の大きな文字が刻まれていた。

「霊台方寸山、斜月三星洞」

この十文字を見た石猴は感動のあまり泣きそうになった。

石碑に沿って進むと、山の斜面を過ぎたところに、確かに一つの洞府が見えた。

洞府の入り口には、風変わりな容貌の仙童が立っていた。

石猴が近づいてくるのを見て、仙童は笑みを浮かべた。「道を求めに来たのですか?」

彼の師匠様は今まさに壇上で説法をしていたが、突然彼に門を開けるように言い、求道者が来ると告げたのだった。

しかし仙童は、求道者が一匹の猿だとは思ってもみなかった。

「私について来なさい」

仙童は石猴を導いて洞府の中へ入った。

二人は幾重もの深い玉楼を通り過ぎ、瑤台の下にたどり着いた。

石猴が顔を上げると、眉も髭も真っ白な菩提祖師様が台上に端座し、両側には三十人の小仙人たちが動かずに侍立しているのが見えた。

石猴は慎重に、身を低くして拝礼した。「師匠様、弟子、志心より朝礼いたします!」

志心朝礼とは、至誠の心をもって菩提祖師様に帰依し信服することを表す。これは極めて誠実で、一心不乱な願いである。

祖師様は一匹の猿がこのような言葉を発するとは思わなかった。

髭を撫でながら石猴を見つめ、わずか数眼で、この猿が天地が育んだ者で、自分とは師弟の縁があることを悟った。

不思議なことに、この縁は本来今現れるべきではなかったのに、なぜ早く来たのだろうか?

祖師様は平然と「お前はどこの者だ?まずは出身と名前を言いなさい。それから拝礼しても遅くはない」と言った。

石猴は急いで答えた。「弟子は東勝神州傲来国花果山水簾洞の者でございます」

祖師様はわざと怒ったふりをして「馬鹿を言え、そんな遠くからどうやって来たのだ?」

「弟子は歩いて参りました」

石猴は恭しく答えた。「弟子は二千余りの昼夜をかけて、やっとここにたどり着きました。決して嘘は申しておりません」

祖師様は指で計算し、心の中で密かに喜んだ。

この猿は嘘をついていない。人の世で七年も歩き回ったのに、因果の染みが全くついていない。まさに一心に道を求める者と見える。

なぜこんなに早く来たのか分からないが、運命とは本来測り知れないもの。仏祖様でさえ計算違いをすることがあるのだから、予期せぬ変化も不思議ではない。

祖師様は思いを巡らせ、すぐに決断を下した。

「それならば、ここに留まりなさい」

菩提祖師様は石猴に言った。「立って数歩歩いてみなさい。私があなたに名前をつけましょう」

石猴は立ち上がって数歩歩き、祖師様は本に書かれていた通り、彼に孫悟空という名前をつけた。

名前がつけられた瞬間、石猴の心から疑問が消えた。

彼は確かに『西遊記』の孫悟空だったのだ。

名前をつけ終えた菩提祖師様は石猴を見つめ、見れば見るほど満足げだった。

この猿は天真爛漫で、資質も極めて良く、一般の弟子とは異なっていた。

この猿が将来何をするのか見通せないものの、祖師様は彼の成就が三界を震撼させるほど大きなものになることを薄々感じ取っていた。

祖師様は慈愛に満ちた目で石猴を見つめた。

「悟空よ、私から何を学びたいのかね?」

「すべて師匠様のご教えに従います」

石猴は腰を折り、恭しく答えた。「如来様を打ち負かせるようになれば十分です」

この言葉が発せられた瞬間、天地を揺るがすような衝撃が走り、多くの弟子たちは驚愕した。

「お前は——」

祖師様は信じられない様子で目を見開いた。

「私は失態を犯してしまった——」

祖師様は心の中で嘆息した。石猴がこの言葉を発した後、なぜ石猴の本質が見通せないのか突然理解した。

この猿は世界の大きな変数なのだ。

彼は天地が生み出した異類であり、だからこそ早くここに来たのだ。

祖師様は心の中で後悔した。こうなることが分かっていれば、この弟子を受け入れるべきではなかった。

しかし、すでに言葉を発してしまい、彼と石猴は因果の縁を結んでしまった。教えないと天地の罰を受けることになるだろう。

祖師様は石猴を睨みつけ、あれこれ考えた末、彼を殺すことはできないと悟った。

「仕方がない、彼がどこまでできるか見守ろう」

祖師様はそう考え、払子を振った。

「如来様を打ち負かすのは難しすぎる。私にもどうすることもできない」

祖師様は石猴に言った。「ただ一筋の機会を与えることはできる。できるかできないかは、お前の悟性と造化次第だ」

石猴は急いで地面に跪いた。「どうか師匠様、ご指導ください!」

「私には一つの法がある。無相という名の法だ」

祖師様は言った。「この法は形も相もなく、お前を鏡花水月のように変化させることができる。月は長空にあり、水に影があるが、見えはするものの掴むことはできない」

彼は深遠な眼差しで石猴を見つめた。「この法を修得すれば、誰もお前を制御することはできなくなる。思いのままに、一挙手一投足に天地の理を宿すことができるのだ」

「学びたい、学びたいです!」

石猴は大喜びした。

「急いで承諾してはいけない」

祖師様は首を振り、続けて言った。「この法は無相と名付けられ、無相とは本相のこと。本性が露わになれば、神となるか魔となるかは一念にかかっている」

無相の法は個性を束縛しないが、修練は極めて困難だ。もし道心を固く保てなければ、石猴は自我を失い、制御不能になってしまう。

「大いなる智慧と毅力なくしては、死して葬られる地もない」

祖師様は石猴を見つめ、突然大声で叫んだ。「悟空よ、学ぶのか学ばないのか?」

石猴は響き渡る音を立てて額を地につけた。「弟子は学ばせていただきます」

「よろしい」

祖師様は満足げに頷いた。

石猴はいささかの躊躇もなく、道心は揺るぎない。このような固い道心なくしては、無相の法を修練することはできない。

祖師様は払子を振り、他の弟子たちに石猴を外へ連れて行くよう命じた。

石猴は困惑した。祖師様は法術を教えると言ったではないか?

菩提祖師様は嘘をつくはずがない。約束した以上、石猴は好奇心を抑え、心安らかに斜月三星洞に留まることにした。

彼は諸先輩方に拝礼し、廊下の一室に寝所を定めた。

翌日から、石猴は先輩たちと共に掃除や応対、礼儀作法を学び始めた。毎日経典を論じ、習字や焼香をし、充実した日々を過ごした。

彼は最年少で、しばしば先輩たちから掃除や庭の手入れ、花の世話や木の手入れ、水汲みや漿の運搬を頼まれたが、石猴は怒ることなく、着実に仕事をこなした。

気がつけば、彼は洞府で一年を過ごしていた。

ある日、祖師様の説法を聞いているときに、石猴は突然悟った。

なんと菩提祖師様の説法の中には、無相の法が暗に含まれていたのだ。まさに形なく相もない。もし彼がずっとこのことを心に留めていなければ、決して気づくことはなかっただろう。

石猴の霊智は大いに開かれ、すぐに祖師様の些細な一挙一動にも、自分への深い示唆が含まれていることに気づいた。

石猴は祖師様の後をついて回り、深く研究し始めた。

彼は毎日お尻にくっついたように祖師様の後を追い、他の弟子たちの嘲笑を買ったが、石猴はすでに徐々に無相の法を会得していることを誰も知らなかった。

彼の悟性は日に日に増していった。

傍らで見ていた祖師様は、驚きと喜びを感じていた。

「この猿は本当に並外れている!」

彼が教えてきた全ての弟子の中で、この猿ほど賢い者はいなかった。