第296章 邪魔

マクシーが夜鳴き鳥(ナイチンゲール)を乗せて戦局に加わると、局面は一瞬にして逆転した。

悪魔は怒りに満ちた叫びを発し、柔軟な稲妻(ライトニング)を追撃するのを断念し、一転して宙返りしながらマクシーに向かって襲いかかった。全快には程遠い腕で再び槍を振り上げ、急速に腫れ上がり、皮膚にはひび割れが広がり、血の霧が吹き出た。

今度の攻撃もやはり力強かったが、投げた槍の力はもはや初めの頃のものではなく、少なくともナイチンゲールは槍の軌跡を捉えることができた。

「マクシー!」彼女は下の巨大な獣を軽く叩き、それから迷霧を広げて一歩前に踏み出した。

「あーっ、クー!」マクシーの体は同時に急速に縮小し、再びハトに変わった。

巨大な目標が突然消え、槍は二人の間を風切り音と共に飛び抜け、大洋へと落ちていった。

そして次の瞬間、迷霧から現れたナイチンゲールは再びイビルビースト変身したマクシーの背中に戻り、全ての回避行動は流れるように行われた。

悪魔は苦痛の悲鳴をあげ、その腕が内側に収縮していくのが見えた。最終的にはまるで水分を失った枝のように崩れ、落ちていった。しかし、それの左手はなおも馬勒を握りしめ、二人に向かって馬を直進させてくる。それはまるで自分もろともにやろうという構えだった。

マクシーはそんな彼の思い通りにはさせなかった。ぶつかる寸前、突然下に潜り、敵とすれ違った。バランスを取り戻すと、背中のナイチンゲールはすでに見えなくなっていた。

後者は幽霊のように悪魔の背後に現れた。

敵が身体を縛るロープを解こうとしている間に、ナイチンゲールは当然、相手にそのようなチャンスを与えるわけにはいかなかった。

彼女は怒りをぶつけるかのように引き金を引き、ライフルの銃声が連続して響いた。

この一斉射撃は、敵の背後のカラパスを貫通し、胸腔を通っていった。敵は一連の激しい喘ぎ声をあげ、やがて血の霧の中に倒れ込んだ。

主人を失った異獣は、やってきたライトニングによって退治され、大海に落ち、すぐに姿を消した。

遥望号はゆっくりと海岸に降りてきた。

「これからどうすればいい?」ナイチンゲールは焦ってアンナを見つめ、「こんなとき、落ち着いていられるのはおそらく彼女だけだ」と思っていた。