104章 にんじんボール_3

彼女は先ほどから何度も考え抱えこんでいた。胸の中は思い悩んでいて、だから余計に苦しんでいた。最後には困難な局面を直視し、ついに弱さを見せた。

これは全家族に関わる大きな問題だ。彼女、たった16歳の少女が決断するのは本当に難しい。

一方、北原秀次は無言だった。福沢家はここで何世代も生活してきた古来の住人だから、何かしらの基盤があるに違いない。この家はそれなりの価値があるはずだ。中国みたいに家を売って半生を飲み食いするほどではないけれど、何とか乗り越えるのに十分だ。でも問題は家を売ったら、家族はこれからどこで暮らすのだろうか?

その後はもう何も残らないのか?

それに、家を売る決断はそう簡単に下せるものではない。家族の事業を売ってしまうと、すべてが終わってしまう。たとえ売るとしても、福沢直隆はまだ病床に横たわっている。どうやって売ればいいのだ?私章だけで売れば買い手も安心できない。

冬美は悲しんでいるけれど、彼女は長女として現実の問題を考える。たとえ目の前の危機をどうにか乗り越えたとしても、福沢直隆が目覚めなかったら、将来どうするのだろうか?家庭がすでにこんな状態だ、再び打撃を受けたらどうするのだろうか?

未来の見えなさに彼女は恐怖を感じていた。

北原秀次はゆっくりと冬美の背中を撫で、彼女の小さな体から感じる深い不安を、力の限りなだめる。しばらく考え、彼の目は徐々に決意に満ちた。

彼は冬美がもうこれ以上局面を支えられないと感じた。今は福沢家を助けるために自分が立ち上がるしかない。それは自分が大変な問題を引き受けることを意味していたし、元の計画は完全に振り出しに戻ることを意味したが、男として逃げてはならないこともある。

福泽直隆は彼を助けてくれた。彼が選べるのは言葉で励ますこと、深い同情を示すこと、あるいはお金を封筒に入れて送ることで、心を込めて感謝の意を示すことだろう。それによって彼が非難されることはないだろう。

親戚や友人がいない人にとっては、それで十分だ。