第250章 野人タイプの嫁_2

労働には報酬あり、それが天の道理というものだ。

夏織夏沙が反抗的な考えを持つのも無理はない。強制的に無償で働かされ、家が労働改造キャンプのようになっているのだから、誰だって嫌になるだろう。彼女たちも大きくなってきて、少女らしく欲しいものもあるはずなのに、働いても報酬がないから、騙したり誤魔化したりするのも当然だ。

冬美は顔をしかめ、少し不機嫌そうだった。彼女はそのお金を独り占めにしているわけではなく、家族全員のお金なのだ。ただ、長女として管理しているだけで、将来も家族全員のために使うつもりだった。でも北原秀次の言うことにも一理あった。家計が楽になってきて、明らかに生活が良くなっているのだから、血に飢えた資本家のように妹たちを搾取するのは適切ではないかもしれない。

彼女は小声で呟いた。「好きにすれば。どうせあなたのお金を分けるんだから、気にしないならいいわ。」

春菜は給料をもらえるかどうかに無関心で、特に反応を示さなかったが、雪里は急に元気づき、指を折って自分の取り分を計算し始めた。

北原秀次は彼女を見て、小声で注意した。「雪里、宝くじは買わないでね。そのお金で好きな食べ物を買って。」

雪里は大きな目を輝かせて彼を見つめ、真剣に言った。「秀次、人には夢が必要よ。私は絶対に特等賞を当てるわ!」

これは...私が獲得した権利を、また宝くじ売り場という底なし沼に投げ込むつもりなのか?

まあいい、君が楽しければそれでいい。これからは僕が食べ物を買ってあげよう!名目上の彼女として、盾の役目を果たしてくれているんだから、日常的な餌付けくらいは当然だろう。

北原秀次は諦めたが、雪里は「食べ物」という言葉を聞いて突然お腹が空き、辺りを見回して匂いを嗅ぎ、美しい大きな目に野性的な光を宿し、思わず方向を変えた。

北原秀次は彼女を引き止め、不思議そうに尋ねた。「どこに行くの?」

雪里は横を指差して言った。「あっちに獣の匂いがするわ!秀次、一匹捕まえて帰りましょう?」

「どんな獣?」冬美が振り返って尋ねた。山に来たついでに、野生動物を捕まえて売れば悪くないかもしれない。蚊の腹を割いても脂は取れる、お金ができたからといって浪費せず、しっかり生活していかなければ。