江南大学都市に戻った後、宋書航は趙雅雅を探しに行かず、まず薬師が購入した五階建ての建物に向かった。
彼は今も壇主の黒い持ち運び箱を持っており、その中には壇主が購入した四種類の貴重な漢方薬が入っているかもしれない。もし趙雅雅がこの箱の中の漢方薬を見つけたら、宋書航は黄河どころか...太平洋に飛び込んでも潔白を証明できないだろう。
そうなれば、間違いなく趙雅雅は宋お母さんに電話をかけ、翌日には宋お母さんが飛行機で江南大学都市に到着することになるだろう。
それに、壇主の持ち運び箱の中には他にもっと恐ろしい、もっと誤解を招くようなものが入っているかもしれない。
この持ち運び箱の処理をせずに、どうやって趙雅雅に会えるだろうか?
鍵を持っていたので、ドアを開けて三階まで上がると、薬師が一人で隅に座って携帯電話をいじっているのが見えた。江紫煙の姿は見えなかった。