宋書航は運が良かった。彼の近くにいた月刀門の弟子たちは皆発狂して、暫く跳ね回った後気を失って倒れてしまい、誰も彼に気付かなかった。
藍原谷の中で、血霧はますます濃くなっていった。
およそ二呼吸の後、宋書航は突然心窍が温かくなり、熱くなるような感覚を覚えた。
この感覚は、彼にとってとても馴染み深いものだった——『金剛基礎拳法』を修練した後、『真我冥想經』で気血を心窍に送り込む時、まさにこのような感覚なのだ!
しかし自分で修練する時は、いつも心窍が少し熱くなるだけで終わるのに、今は心窍が持続的に温まり続けている。
つまり、今この時、彼の心窍の気血値が急速に上昇しているということだ!上昇が多ければ多いほど、将来の基礎構築に必要な時間は少なくなる。
もしこのまま増え続ければ、今日中にも心窍を開き、基礎構築を完了できるかもしれない!
これが七生符府主の言っていた「利点」の一つなのだ。
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轟!
蘇氏阿七の刀が藍原谷に斬り込み、濃密な血霧の中に消えていった。
轟轟轟轟……恐ろしい刀光の爆発音が絶え間なく響き渡る。
「天刀葬星河」の威力はどれほどのものか?
蘇氏阿七自身でさえコントロールできない刀術として、この一撃で放たれた刀気は、数百メートル先まで威力を失わずに広がっていく!
カンカンカン~~
血霧の中から次々と異様な音が響き、血霧はさらに濃くなった。
五息の後。
蘇氏阿七は刀を鞘に収めたが、眉間の皺はさらに深くなった!
公子海は、まだ死んでいないようだ?
藍原谷の中で、あたり一面の血霧が徐々に消えていった。
最初に阿七の目に入ったのは、まさにボロボロの姿の公子海だった。彼は髪を乱し、体中傷だらけで血まみれだった。しかし彼はまだ生きており、顔には人を不快にさせるような笑みを浮かべていた。
公子海の手には赤黒い血刀が握られており、シューシューと熱気を放っていた。本命血神刀が既に形を成している。この刀があれば、公子海は五品の境界に突入し、金丹を凝縮する自信があった!
彼の背後で、安知魔君は口を開けて一吸いし、藍原谷の底から一筋の魔気を引き上げた。
今回の「血神邪刀陣」は彼と公子海が共同で「改編」し、共同で主催して完成させたものだ。
月刀門全体を生贄として。
公子海は本命血神刀を手に入れた。