「正德」は天地が暗くなるほど泣き叫び、蘇氏阿七は溜息をつきながら、手刀で正德の後頭部を打って気絶させた。
「先に神農派に行きましょう」と蘇氏阿七は言った。
この一件は、彼が公子海に導かれて神農派に行ったことから始まった。神農派は今や大打撃を受け、彼にも責任がある。今は、できる限り手助けをするしかない。少なくとも神農派の道統が途絶えないようにしなければ。
そして、阿十六と宋書航は再び蘇氏阿七の遁光に乗り、後ろに正德を引きずりながら、神農派へと飛んでいった。
飛行中、宋書航は携帯電話を取り出し、七生符府主に電話をかけ直して、今回の収穫を報告しようとした。
血神の钻は、どうやら非常に貴重な鍛冶材料らしく、グループの先輩たちも「大きな収穫」だと考えているようだ。どんな法宝が作れるのだろうか?
宋書航は密かに手の中の血神の钻を見つめた——しかし、この「血神の钻」が多くの人々が生贄にされて死んだ後に形成されたものだと考えると、心が重くなる。
これは人情というものだ。たとえ宝石が貴重だとわかっていても、その宝石が何千何万もの人間の死体から抽出された「死体油」から凝縮されたものだと知ったら、それが無価値の宝だと分かっていても心が重くなるものだ。
できることなら、宋書航はこれを同価値の、自分に適した宝物と交換したいと思った。
しかし、宋書航が七生符府主に電話をかけると。
「申し訳ありません!料金が未納です。料金をお支払いください。ありがとうございます!sorry!Your_telephone_charge_is_overdue,please_renewit,thank_you!」
「まさか、まだたくさん残っているはずなのに、なぜ料金不足?」宋書航は困惑した表情を浮かべた。
突然、ある事を思い出した。
七生符府主は、確か深い海の中のある神秘島で野生の人類たちに漢字を教えていたはずだ。あそこで電話が通じるだけでも上出来だ。通話料なんて、どうでもいいことだ。
その上、宋書航は国際電話を開通していなかったので、通話料が当然高額になってしまう。
……
……
神農派にて。
生き残った弟子たちの顔には深い悲しみが浮かんでいた。神農派の精鋭たちはほぼ全滅してしまったのだ!
宗主さえも、正能兄と十数人の弟子たちが命がけで連れ帰ってきたのだった。