刀身に火炎が燃え盛り、その勢いは圧倒的だった。
しかし、この火炎は宋書航が発動したものではなかった。
夢の中で「赤霄子道長」が伝授した「火炎刀法」は一見単純に見えたが、実際には大道至簡、本質に還る一刀だった。シンプルな一刀を放つだけで、世の中の万物を焼き尽くし、燃やせないものなどなかった!
百人の宋書航の才能を合わせても、一度見て一度練習しただけでこの刀法を習得することは不可能だった。
しかも、それまで彼は刀法に触れたことすらなく、宝刀霸砕を持っても無秩序に振り回すだけだった。そして、刀に火炎を宿すには、少なくとも二品の境界に達し、体内の気血の力が真気に変化する必要があった。
今、彼が放った刀の火炎は、指にはめた古銅指輪のおかげだった。
指輪には二品の火系攻撃「火炎刀」が付与されており、これは古銅指輪の元の持ち主である李天塑が特別に追加した火系攻撃だった。