第172章 燃焼の刀

しかも宋書航の『金剛基礎拳法』の攻撃力は弱くなく、「壇主」の元部下が倒れるのは当然のことだった。

「ふぅ~」宋書航は安堵のため息をつき、こっそりと隙を見せて、最後の潜伏者を誘い出そうとした。

暗がりで、葵花修士は冷笑した。彼は突然身を躍らせ、がっしりとした体つきながら猫科動物のように敏捷に、瞬時に宋書航の背後に現れ、両手で棘を握り、宋書航に向かって激しく突き刺した。

カン!

甲符の防御が再び光芒を放ち、葵花修士の攻撃を防いだ。

出てきた!宋書航は躊躇なく、後ろに向かって蹴りを放った。

葵花修士は一撃を外し、残念そうな表情で軽々と跳び退いた。そして、宋書航に精神の威圧を放ち、低い声で言った。「観念しろ、書山圧力大!私に対して、お前には勝ち目などない。」

「公子海があなたを寄越したのですか?」宋書航は淡々と言った。同時に、自分の身にある'甲符'の防御を見つめた。防御力はすでにかなり弱まっており、葵花修士の攻撃をもう一回防ぐのが限界だった。さすがは「無極魔宗」のような大宗門の出の弟子、先ほどの一突きは、攻撃力だけを見れば普通の二品修士にも引けを取らないほどだった。

「ふふ、好きに考えろ。時間稼ぎは無駄だ。前回お前と一緒にいたあの先輩は、すでに私の仲間に足止めされている。大人しく横になれ!」葵花修士は体を少し曲げ、自分の持つ低級な法器を起動させた。「青風加速!」

彼の体表に青い微風が漂い始め、速度が倍増した。

続いて、彼はその場から消え、瞬時に宋書航の傍らに現れ、手にした棘を宋書航の腹部に突き立てようとした。「安心しろ、殺しはしない。お前の命は必要なんだ……」

速すぎて、宋書航には避けようがなかった。

ガン!

甲符の力が再び輝き、葵花修士のこの一撃を防いだ。

宋書航は機を見て横転し、少し距離を取った。同時に、彼の身にある'甲符'の能量は完全に消耗し尽くした。

速度が速すぎる、剣符を起動しない限り、とても勝てそうにない。

「豆豆!」宋書航は大声で叫んだ。今こそ豆豆が出馬して大活躍する時だった。