「空空盗門」の優秀な弟子として、糖少主は今まで失敗することはほとんどありませんでした。今回は「葵花修士」への恩返しのため、血神の钻を盗みに来たのです。
この二日間、彼女はこの大屋の防御大陣を観察していました。この建物の防御大陣は非常に複雑で、短時間では破ることが難しいと感じていました。
どうやって陣を破るか頭を悩ませていた時、今日来てみると、この複雑な防御大陣に問題が発生していることに気付きました——大陣には何者かによって強引に開けられた大きな穴がありました。後に誰かが修復を施したようですが、修復された陣法には必ず隙があるものです!
千載一遇のチャンスです!
糖少主はすぐに防御大陣の破れ目の下に移動し、陣法の欠陥を計算し始め、破陣の準備を始めました。
その時、建物の玄関が開き、容姿端麗な男性が中庭に現れました。
糖少主はすぐに地面に伏せ、法宝を取り出して体に被せ、自分を隠形状態にしました。そして慎重に保護欄越しに中庭の男性を観察しました。
中庭では、白尊者がまず大きな箱の「戦利品」を運び出し、それから手近な木の枝を折って、いくつかの陣法を刻み、すぐに「使い捨て飛剣004版」を作り上げました。
外にいた糖少主は呆然としました——飛剣が、こんなに簡単に作れるの?冗談でしょう?しかも材料として選んだのは、どこにでもある木の枝?
このような技は、空空盗門の金丹霊皇の長老でさえできないはずです。思わず唾を飲み込みました。
その時、白尊者は大きな箱を木製飛剣の上に載せました。
そして、剣の呪文を結び、軽く「行け!」と叫びました。
使い捨て飛剣004版は大きな箱を載せたまま、ゆっくりと空へ上昇し、すぐに姿が見えなくなりました。
「うむ」白尊者は満足げに頷きました。
建物の外で、糖少主は既に足が震えていました。彼女は誰かが飛剣を操って「シュッ」と空高く飛ばすのを見たことがありませんでした。千里先の敵の首を取るのでさえ大げさなのに、目の前のこの美男子の飛剣は、千里どころではありません。姿が見えなくなるまで飛んでいってしまいました。まさか宇宙まで飛んでいったのでは?
もう楽しく遊べる状況ではありません。
だめだ、この任務は受けられません。「葵花修士」への恩は次回返せばいい、一つの任務のために命を危険にさらす必要はありません。