黄色い砂が至る所にあり、雑草一本もなく、死のような静寂が広がっていた。
宋書航は苦笑いを浮かべた。砂漠での生存方法など学んだことがなかったのだ。しかも、今の修為では辟穀もできず、今日は辟穀丹も持ってきていなかった。
もしかして、彼の人生はついにピリオドを打つことになるのか——2019年7月3日、宋書航、異世界転移。
そして、死亡?
「こんな形で死にたくないよ、諦めるわけにはいかない……家のドアを開けた時にこの砂漠に送り込まれたんだ。白先輩と豆豆が家にいれば、何か異常に気付いてくれるはずだ」宋書航は太陽穴をさすりながら、冷静に分析した。
白先輩の七品の霊尊としての修為があれば、異常に気付いたら自分を救出できるはずだ。
今の自分がすべきことは、持ちこたえることだ。可能であれば、この砂漠から脱出したい。少なくとも……まずは水源を見つけなければ。