景陌舵主は混乱していた。それも大きな混乱だった。
「私の開け方が間違っていたのかな?」彼は呟いた。中庭の大門を開けて一歩踏み入れたのに、目の前に広がっているのは砂漠だった?
もしかして、防御大陣を起動させてしまったのか?
彼は素早く振り返って入口の大門を見た。案の定……大門は消え去っていた。
ふむふむ、なんと用心深いことか。防御大陣をこんな形にするとは。幸い今回は幻形木人形で偵察に来たので、本体は無事だ。景陌舵主は心の中で呟いた。
しかしその時、剣術飛行中の景陌舵主の本体が凍りついた——彼と幻形木人形との五感のリンクが切れてしまったのだ!
その砂漠は、外部とのあらゆる繋がりを遮断していたのだ。
くそっ、手段が多いな。
幸いにも、幻形木人形は「遠隔操作」だけに頼っているわけではない。幻形木人形を使用する際、修士は自身の真気と精神力を人形に注入する必要がある。