第187章 これは死体を鞭打つようなものだ!

景陌舵主は混乱していた。それも大きな混乱だった。

「私の開け方が間違っていたのかな?」彼は呟いた。中庭の大門を開けて一歩踏み入れたのに、目の前に広がっているのは砂漠だった?

もしかして、防御大陣を起動させてしまったのか?

彼は素早く振り返って入口の大門を見た。案の定……大門は消え去っていた。

ふむふむ、なんと用心深いことか。防御大陣をこんな形にするとは。幸い今回は幻形木人形で偵察に来たので、本体は無事だ。景陌舵主は心の中で呟いた。

しかしその時、剣術飛行中の景陌舵主の本体が凍りついた——彼と幻形木人形との五感のリンクが切れてしまったのだ!

その砂漠は、外部とのあらゆる繋がりを遮断していたのだ。

くそっ、手段が多いな。

幸いにも、幻形木人形は「遠隔操作」だけに頼っているわけではない。幻形木人形を使用する際、修士は自身の真気と精神力を人形に注入する必要がある。

本体との五感リンクが切れても、幻形木人形は行動を続け、見たこと、聞いたことを全て記録する。本体との五感リンクが復活すれば、保存された情報を本体に伝達できる。

しかしこの方式は危険だ。遠隔で幻形木人形を操作している時は、いくつかの災厄を避けることができる。だが幻形木人形が自律行動する時は、本能的にしか行動できない。

そして、その時には「痛み、精神衝撃」などのネガティブな情報も忠実に記録され、リンクが回復した時に主人に伝達される。

もし幻形木人形が誰かに剣で刺されたら、主人が幻形木人形と再びリンクした時、剣で刺された感覚も味わうことになる。

なんというか、この世界に完璧なものは少ないものだ。

幻形木人形は低級な「類分身」法器として、五感リンクができるだけでも十分だ。

実際、幻形木人形がリンクを失った時のこの修正不能な欠陥があるからこそ、価格が手頃で、四品修士でも一体手に入れることができるのだ。

……

……

幻形木人形に化けた景陌舵主が砂漠をしばらく歩き回っていると、突然前方から白馬の青衣の少年が近づいてきた。

「白ちゃん、さっきどこに行ってたの?迷子になるかと思ったよ」青衣の少年は楽しげに近づきながら、いつもと変わらないセリフを言った。

そして彼は楽しげに大錘を投げてきた。「さあ、錘術の練習をしよう!」