実は、ダークソウルは補助型の聖痕だ。
本当に。
説明書にはそう書いてある。
その才能は、使用者が持つ原質を周りの人々に惜しみなく分け与えることだ。無私の奉仕を重んじるが、分け与えられるものは良いものではない。
負のエネルギー生産機に改造された槐詩と組み合わさることで、分け与えられ広がっていくものは、槐詩自身が無数の死の記録から抽出した劫灰と死の息吹となった。
烏が言ったように、これはゴールデンパワーコレクションが強化されたバージョン2.0だ!
ダークソウルが起動すると、接触なしで、槐詩の周囲3メートル以内に入るだけで、実体化するほど濃密な負のエネルギーが、すべての人々を惜しみなく熱心に抱きしめる。
あるテーブルゲームの計算方法のように、双方の基礎値に基づいて計算し、基礎値などの複雑な要素を加えた後、一回の判定を行う必要がある。
判定に失敗すると、無限の死の息吹の中で苦痛を感じることになる。
槐詩より4段階上の昇華者にとっては、それは微風のような感覚かもしれないが、2段階上の昇華者にとっては不快感を覚え始め、同じ段階の相手にとっては、これは避けられない恐怖と悪夢となる。
今となっては……
「両者の差はそれほど大きくないな」
槐詩は口笛を吹き、足を上げ、天井から落ちてきた侵食物質を足下に踏みつけ、その悲鳴を上げる様子を見下ろしながら、興味深そうに尋ねた。「熱中症になったのか?」
次の瞬間、怒りのアックスが振り下ろされた!
悪臭のある血漿が飛び散る。
心の毒が広がる。
死体から、粘性液体が鋭い悲鳴を上げ、急速に凝固し、ハリネズミのように無数の針を突き出し、そして崩壊した。
灰となって。
槐詩は満足げに頷いた。
塵は塵に、土は土に、これは良いことだ。
そして、彼は顔を上げ、国境の遺物を握る大怒り金沐を見つめ、興味深そうに尋ねた。「それ、使えるのか?」
答えは怒りに任せた鉄の鞭の一撃だった。
解放せずとも、ただ原質で粗暴に推進するだけで、鉄の鞭の持つ猛烈な力は地上に深い亀裂を刻んだ。
ハリケーンが広がり、槐詩の周りの火の災いの霧をほぼ引き裂いたが、次の瞬間、霧は再び閉じた。
後ろに滑り出た槐詩は体勢を立て直し、その瞬間に体にかかった恐ろしい風圧を感じながら、思わず口笛を吹いた。ついでに、横から襲いかかろうとした侵食物質の頭に斧を振り下ろした。
プラズマが飛び散り、また一つの悲鳴が上がった。
胸の中の不思議な動悸を感じながら、槐詩は手を虚しく握り、封じられた手の炎が燃え上がった。原質の凝縮する清らかな音の中で、黒い儀式のナイフが彼の手の中から再び生まれ出た。
形を失った儀式のナイフは物質から原質となり、今、槐詩によって原質の中から再現された。
この懐かしい手触りを感じながら、槐詩は手の中の刃を振り、もう一方の手で斧を抜き、刃と斧が衝突し、原質と火花が同時に飛び散った。
劫火の中で、少年は爽快に笑みを浮かべた。
「さあ——」
彼は小声で呟いた。「本格的に始めよう!」
次の瞬間、ダークソウルが轟いた!
風の中を飛翔するかのように、一瞬で重さを失い、まるで思いのままに飛べるかのように、槐詩は軽やかに素早く風の中を走り、目の前を横切る鉄の鞭に向かって刃を振り下ろした。
鋼鉄が衝突する。
しかし彼の体は、鉄の鞭の力を借りて空中に舞い上がり、重い鉄の鞭の上に立ち、この一本橋の上で回転し、風の中で回転する鳥のように。
そして、刃と斧刃は空中で月のように冷たい残光を描いた。
刃が金沐の躯体に当たると、まるで金鉄を切るかのように火花が散り、その首には小さな裂け目が入っただけだった。
悪来の聖痕は常駐型の効果だ。
積極的に発動させなくても、使用者の躯体は一定の強靭さを保ち、小口径の弾丸でさえ必ずしも傷をつけられない。
鋼鉄のように、堅固で破れない。
しかし残念ながら、結局は鋼鉄に過ぎない……
一瞬のうちに、幾重にも重なる高揚した声がこの瞬間に響き渡り、Theravada esotericismの二刀流が槐詩の手から繰り出された。たとえ双剣の連携がなくても、手にした刀と斧だけで、恐ろしい速度に達した。
鋼鉄の原質と原質の鋼鉄が重なり合い、風を引き裂き、鋭い悲鳴を上げ、槐詩がこれまで到達できなかった恐ろしい高速に達した。
一瞬の後、槐詩は鉄の鞭から地上に降り立ち、金沐は後ろによろめいた。
露出した胸、首、そして顔と五官のすべてに、無数の裂け目が刻まれていた。
この完璧な躯体の後ろに隠れていた境界線異種は怒りの叫びを上げ、手の鉄の鞭を地面に叩きつけ、まるで地震のような恐ろしい波動を引き起こした。
ハリケーンが襲い掛かる。
それは手の鉄の鞭を引っ張り、周囲を無差別に打ち付け、周りのすべてを遺骨に破壊した。
槐詩の目が痙攣した——彼は確信していた。たとえ自分の体質が進階していても、打たれれば間違いなく肉塊になるだろう。
第3段階の聖痕悪来の驚異的な力も、国境の遺物自体の恐ろしい重量も、一階の萌新である彼が硬直できるものではない。
だから、この狂戦士たちが羨ましい……
しびれ始めた指を動かしながら、槐詩は再び手の刀と斧を構えた。
「もう一度!」
まるで疾走する電車に寄り添ってダンスを踊るかのように、狂風が吹き荒れる。
もともと槐詩を狙った攻撃に比べ、理性を失って狂気に陥ったこの状態の方がむしろ厄介だ。攻防の応酬には常にパターンがあるが、今のようにこの猛烈な力が定石通りに来ないと、素人の乱打で達人を倒すことになりかねない。
まして萌新なら。
近づけば近づくほど、窒息感が強まる。
風圧は重く、足元の地面さえも動揺し始め、信頼できなくなり、まるでハムスターボールに入って平衡を保とうとするかのようだ。
一度滑れば、すでにミンチマシンと化した嵐の中に巻き込まれる。
骨も残らない。
間近で、彼は金沐の躯体の中の粘性液体が沸騰する音さえ聞こえた。それは焦り始めていた。いや、不安を感じ始めていた。
恐怖のオーラが効果を発揮し始めていた、少しずつ、確実に。
鋭い悲鳴が突然響き渡る中、槐詩は素早く身を翻し、ビルが崩れ落ちるような風圧が顔面に押し寄せてくるのを感じた。鼻先をかすめて落ちてきた鉄の鞭とともに。
続いて、刀と斧が切り裂く。
彼は渾身の力で咆哮し、封じられた手に握られた斧から炎が激しく燃え上がり、絶え間なく原質を鋼鉄の重みへと変換し、その一撃の斬撃に加えていった。
金属同士が擦れ合う高い音が虚空に響き渡る。
金沐の片腕が突然震え、続いて、小指が鉄の鞭から飛び上がり、落下し、その中が既に鋼鉄色に変異した骨格を露わにした。
一本の指を断つ!
続いて、斧の刃と鉄の鞭が衝突し、洪鐘大呂のような音が耳元で轟いた。
槐詩はほとんど目の前が暗くなり、その巨大な音の中で聴覚を失い、素早く身を引いた。自慢の斧刃に欠けた跡が入っているのが見えた。
あの国境の遺物は一体どのランクのものなんだ!
少なくともAランク以上だ!
その質量と原質だけで自分の斧刃を欠いてしまい、自身は傷一つ負っていない。
槐詩は密かに舌打ちし、足元がふらつき、横なぎに薙ぎ払われてきた鉄の鞭の嵐に巻き込まれそうになった。
轟音があまりにも凄まじく、彼の半規管までもが微かに損傷を受けたが、幸い聖痕によって強化された肉体には微弱な再生能力があり、内出血にも満たないこの程度の傷は数秒で修復された。
小指を失った後、片腕の腐食体はもはや鉄の鞭をしっかりと握ることができなくなっていた。
ますます大きな隙と破綻を露呈している。
槐詩から見れば、まるで大門を開け放って玄関で親切に招待しているようなものだった。
——いらっしゃいませ!
彼は手のひらを乱暴に怒りの斧に擦りつけ、欠けた部分を修復し、再び体当たりで突進した。切り裂いてくる鉄の鞭に向かって、突然身を翻し、手に持った儀式のナイフを腕の振りとともに、激しく投げつけた!
手から離れた儀式のナイフは金沐の体を傷つけることすらできず、彼の顔を強く切りつけた後、回転しながら彼の背後の闇へと飛んでいった。
しかし続いて、槐詩の手が急に締まり、引き戻した。
戻ってこい!
刀の柄に結ばれた細い糸が急速に膨張し増殖し、鋼鉄の色を帯び、回転する刀の刃とともに腐食体の躯体に絡みつき、細い一本の線から小指ほどの太さのワイヤーへと膨らみ、槐詩の引きに従って内側へと収縮していった!
ワイヤーの収縮の中で、その躯体からは目を刺すような火花が擦れ出したが、瞬間的な拘束によって腐食体の動きは一瞬硬直した。
続いて、槐詩は間近に迫っていた。
半空から、彼が鉄の鞭を握る手に向かって斧刃を振り下ろした。
崩!
轟音が気圧とともに再び広がっていった。
今度は、親指がすっきりと切断され、飛び上がった。
鉄の鞭が手から離れた。
腐食体は激怒し、必死に抵抗し、原質の索を悲鳴とともに崩壊させ、槐詩の頭に鈍い痛みが走ったが、その動きは一切止まることはなかった。
回転して戻ってきた儀式のナイフが彼の手に飛び込み、斧刃と擦れ合って火花を散らし、腐食体の目を刺激した。
無数の重なり合う鋭い悲鳴が迸る。
まるで切断機が唸りを上げて回転し、正面から鋼鉄に切り込んでいくかのように。
巨大な音とともに、刀と斧の傷跡から熱い火花が迸り、斧刃に燃え付く心の毒が空中に月輪のような軌跡を残した。
瞬く間に、数十回重なり合った。
最後に、刀と斧は槐詩の咆哮とともに両側に分かれ、金沐の胸に惨烈な十字の創傷を残し、その創傷の中で、沸き立つ闇が恐怖の悲鳴を上げた。
「——くそったれ、さようなら!」
儀式のナイフがその粘性液体の中に貫入し、深く境界線異種の粘性の躯体に楔を打ち込み、次の瞬間、心の毒が迸った。
惨烈な悲鳴が粘性の液体の中で響き渡る。
そして突然止んだ。
静けさが突如として訪れた。
槐詩の目の前で、力を失った金沐がゆっくりと膝をつき、開いた胸腔から、灰となった粘性液体が舞い上がった。
「あり……がとう……」
その瞬間、槐詩は幻覚のような囁きを聞いた。彼が下を向いた時、金沐のひび割れだらけの顔に、解放されたような笑顔が浮かんでいるのを見た。
「まだ生きていたのか?」
彼は信じられない思いだった。
境界線異種に寄生されてこれほど長い間、まだ死んでいないなんて、この男のライフフォースはいったいどれほど恐ろしいものなのか。ただし今は、もう限界なのだろう?
彼はため息をつき、手の斧を上げ、両手で握りしめた。
「すまない」彼は言った。「死後に侵食物質になるのを防ぐために……」
後の言葉は言わなかったが、金沐は理解していた。
恐怖も怒りもなく、彼は悟ったように目を閉じ、最後の力を振り絞って頭を上げ、首筋の金鉄の色が徐々に薄れていった。
「北へ……行って……」
砕けた喉から嗄れた声が出た。「沈悦を……頼む……」
最後まで仲間のことを気にかけているのか?
お前は一体どこの善人なんだ?
槐詩は憐れみの目を伏せた。
「わかった」
斧刃が一閃した。
首のない死体が地面に倒れ、劫灰の侵食の中でゆっくりと灰となっていった。
槐詩は静かに彼がこの世界から消えていくのを見つめていた。
長い間、彼は身を翻し、闇の深部へと歩み出した。狂気の悲鳴が聞こえてくる方向へと。
劫灰の火が激しく燃え上がる。
——ダークソウル、出陣!