第658章 剣を借りよう!(4更)

北玄宗の周長老は一目で葉辰を認識した!

5年の月日が流れたが、彼にとってはとても印象深い出来事だった!

なにしろ崑崙では、凡根の者は極めて稀だったのだから!

この若者は医神門の門主が直々に連れてきたのだ!

医神門は栄光の過去があったにもかかわらず、当時は彼という一宗門の長老の機嫌を伺っていた。その瞬間、彼は心底満足していた。

さらにはこの出来事を他の宗門の長老たちの前で自慢げに話していたほどだ!

だからこそ、彼は一目で葉辰を認識できたのだ。

先ほど中で、誰かが騒ぎを起こしていると聞いただけで、まさかその小僧が騒ぎを起こしているとは思わなかった。

そして今、葉辰の瞳は血のように赤く染まっていた。

形のない怒りが突如として湧き上がった!

彼は周長老を睨みつけた!

相手は北玄宗にいないと思っていたが、まさか、こんな近くにいるとは。

この瞬間、葉辰の心には殺意が幾重にも重なっていた!

あの刻薄な言葉が次々と響き渡る!

さらに老人が頭を下げていた姿は目に焼き付いて離れない!

周長老は当然葉辰の殺意を感じ取り、一歩前に出て、興味深そうに葉辰を見つめた:「この役立たず、まさか神遊境まで到達するとはな。凡根の者が神遊境まで?これがお前の限界だろう、これ以上は無理だ。」

「まあ、神遊境ならお前のような役立たずには十分だろう。医神門のあの老いぼれはお前を本当に大切にしているようだな、多くの機会を与えたようだ。」

「しかし私から見れば、それは全て無駄だ!凡根の役立たずに何の価値がある!」

「そうそう、今日お前が我が北玄宗に来たのは、まさか私に北玄宗への入門を頼もうというのではあるまいな?忠告しておくが、夢を見るのはやめろ。たとえお前が今入聖境だとしても、お前のその卑しい才能と血脈は我が北玄宗にとって恥でしかない!」

周長老の言葉には冷たさと嘲笑が満ちていた。

北玄宗の弟子たちも一緒に笑い出した。

周長老がいれば、龍でさえおとなしく従うしかない。

百里雄は葉辰を一瞥し、やっと葉辰の先ほどの言葉の意味を理解した。

どうやら葉辰は本当に北玄宗と因縁があるようだ。

しかし葉辰一人で、今回は一つの宗門と対峙することになる!

たとえ北玄宗が崑崙の最上級宗門でなく、第一階梯の宗門でもないとはいえ、侮れない存在だ!