これは彼がこの時期の心の乱れに対する最良の薬だった。
彼は震える足取りで丹鼎に向かい、再び丹火を起こして丹を練り続けた。
「もし葉辰のあの小僧がいつか戻ってきて、医神門がなくなっていることを知ったら、きっと私に失望するだろうな。どうあれ、明後日の戦いでは、全力を尽くさねばならない!」
……
同時刻、殺戮の地のその赤い建物の中。
建物の中央で、一人の老人が足を組んで座っていた。
段懐安と違うのは、この老人の周りには十基もの丹鼎が浮かんでいることだった!
彼の手には無上の炎が凝集され、瞬時にすべての丹鼎を飲み込んだ!
周囲のすべてが彼の支配下にあった。
突然、老人が目を開き、口元に冷笑を浮かべた。「開け!」
狂風が吹き荒れ、無数の炎が形を変え、丹鼎がすべて開き、風の中で無数の薬材が転がり込んでいった!
極めて正確に!
丹鼎が閉じられた!
ほぼ瞬時に、濃厚な丹藥の香りが漂い始めた!
老人の表情は非常にリラックスしていた。
丸半時間後、老人の腕がゆっくりと動き、十基の丹鼎が一斉に地面に降りた。
「パチパチ」という音が絶え間なく響き渡った!
誰がこの十基の丹鼎のうち八基も成功するとは思っただろうか!
老人は立ち上がり、五本の指を握ると、丹鼎の丹藥がすべて彼の手のひらに落ちた。
色艶も品質も、すべて最上のものだった!
「十基すべてが成功したわけではないが、八割の成功率ならば他のすべてを圧倒するに十分だ」
「あの分をわきまえない医神門の段懐安め、医神門がまだ千年前のあの医神門だと思っているのか?」
「取るに足らぬ屑が私に挑戦するとは、そんなに挑戦したいなら、明後日、容赦なく貴様を辱め、何が崑崙虚の無上丹道かを見せてやろう!」
「丹道が安定し、人を材料にした丹の練成が完全に成功したら、丹盟に行くべき時だ。崑崙虚全体を私のために震え上がらせてやる!」
老人は爽やかに笑い出した。この時の彼はまるですべてを掌握したかのようだった。
そのとき、ノックの音が聞こえた。
笑顔が急に止まった。
老人は元の位置に座り直し、淡々と言った。「入れ」
間もなく、扉が開き、白髪の老人が入ってきた。
まさに今日、石碑の上にいたあの人物だった。
「洪丹尊!」
老人は恭しく言った。