193 巨人の体と自然に問いかける

……

マシューの予想に反して、

彼の「身体」がホークフェイスの胸元に触れた瞬間、相手はまるで存在しないかのように、簡単に「すり抜けた」!

「止まれ!」

ホークフェイスは怒り狂って叫んだ。

その異様に大きな手がマシューに掴みかかろうとしていた。

マシューは意識を一振りすると、突然信じられない速度で飛行し始めた!

以前、彼も領域内で飛行を試みたことがあったが、その移動速度は今の3分の1程度だった。

しかし、今では。

マシューがただ一つの思念を抱くと、視界は瞬く間に遠く遠くへ飛び去っていた!

ここへ来て。

ようやく彼は滝の上の風景をはっきりと目にすることができた。

それは果てしなく続く川だった。河面は広々と静かで、両岸には茂密に松や柏の木が立ち、2人ほどの高さもある咲き誇る野草が生えていた。

彼の視界には、ただ生気溢れる緑が広がっているだけだった。

ホークフェイスは怒りに満ちて飛びかかってきた。

マシューは川面を逆流して巧みに進んでいった。

彼は下を向いて自分の影を見ようとしたが、水面がぼんやりしていて何も見えなかった。

目いっぱい視力を駆使して川面を見極めようとしたその時、不意に川の水は粘り気のある乳白色に変わった。

マシューがそれをよく見る暇もなかった。

ホークフェイスの速度も遅くはなく、彼がマシューを捕まえられないのは、現在のマシューの形体がほぼ実体を持たないためだ。

何度も。

彼はマシューのすぐ側まで迫り、あと少しで彼を阻止できそうだった。

しかしその過程で、マシューは自分が集中すればするほど、飛行速度がさらに速くなることを発見した。

彼は今、自身がただ一つの思考の糸を頼りに領域を泳いでいるのではと推測した。

ホークフェイスが自分を捕らえるのが難しい一方で、自分も彼に傷を負わせるのが難しい。

そう考えると、マシューは興を失った。

彼は全力で川の上流へと狂ったように飛び出した。

マシューがさらに加速すると。

ホークフェイスはたちまち彼に距離を引き離されて後方へと置き去りにされた。

それからしばらくして。

マシューは非常に奇妙なことに気がついた——

彼は確かに川の流れに逆らって、上流に向かって飛行し続けていたはずだった。