195 「木を植える魔法使い」、巨大竜来襲!

……

7月17日。

朝。

ローリングストーンズタウンの市民広場は人でいっぱいだ。

他のイベントや祝祭の盛況とは異なり、広場の喧騒の中にはたくさんの犬の鳴き声が混じっている。

絶え間なく響く犬の吠え声は、まるで夏のミューズの奏でる力強いドラムのように、無意識の中でドッグファイト大会の正式な始まりを促しているようだ。

しかし、それに先立ち。

ローリングストーンズタウンの住民たちには、今日は第1回ローリングストーンズタウン優秀市民章の授与の日だと告げられていた。

そしてその受賞者の名前はすでにごく限られた範囲で民間に広まっている。

そのため、参加者や見物人たちは、どの犬が最終的な勝者である「ドッグ王」となるかについての激しい議論のほかに、「優秀市民」についての大きな興味を持っている者も少なくない。

「トンプソン、聞いたかい?第1回の優秀市民は、あの人食い木を育てている魔法使いだそうだ!」

「人食い木の話なんて噂じゃないか?」

「誰が分かるものか、とにかくローナン大魔導士以外は信じられないけど、ローリングストーンズタウンみたいな小さな町には、本物の魔法使い様が来るなんてありえない…」

帽子をかぶった若い男性がそれぞれ猛々しい猟犬を連れて、小声で話をしている。

そして、その時。

広場の中央に設置されたステージに突然優雅な紳士が歩み出てきた。

その紳士は薄い白いシャツ、真っ黒なズボン、一分の乱れもない革靴を身に着けており、彼のヘアスタイルは特におしゃれで、背筋もピシッと伸ばしている。

どんな場面でも。

彼はその優雅さ、涼しさ、規律を失うことがなさそうだ。

「リチャード氏だ!」

「リチャード!」

「リチャード兄貴!」

観衆の間で歓声が上がった。

その応援者の大多数はローリングストーンズタウンで職人として働く若中年男性たちだったが、歓声には他の職業の住民からのものも多く含まれている。

5人委員会の中で最も経験の浅い一人として、

リチャードはローリングストーンズタウンの住民の間で非常に高い人気と名声を持っている。

この紳士は細かい仕事へのこだわり、公平かつ公正な判断で知られているが、公共の場に姿を見せることはめったにない。今日は初めてだった。

リチャードが登場すると。

場内はたちまち静かになった。