第271章 苦しむ小魚

老人の視線に気づいた小魚と小米の顔色は、たちまち曇った。

他の者たちの目には、憐れみの色が浮かんでいた。

「この二人に違いない」と、一人の老人が言った。

「ああ、だがどちらだろうか?」もう一人の老人が眉をひそめた。

二人は小魚と小米を見比べ、すぐには判断できないようだった。

しかしその時、小米が突然小魚を指差して叫んだ。「絶対にあの子です、あの子です、私は関係ありません、捕まえるならあの子を...」

小米の言葉を聞いた小魚は瞳孔が縮み、顔に信じられない表情を浮かべた。

小米の口からそんな言葉が出るなんて、信じられなかった!

「小魚、素直に認めなさい、楊釗が狙っていたのはあなたでしょう、私は関係ないわ...」小米は震える声で言った。

「お二人のおじさま...いいえ、お二人のお爺様、捕まえるべき人は小魚です、私じゃありません、うっ、うっ、私を探さないで...」

二人の老人は意味ありげに頷き、小魚を一瞥して言った。「間違いなくこの子だな」

そう言うと、二人は前に進み、手早く小魚を捕まえた。

小魚はまだ衝撃から立ち直れていなかった。

小米の方をじっと見つめ、心の中で悲しみが込み上げてきた。

親友が、このような時にこんな言葉を吐くなんて。

辛くないはずがなかった。

二人の老人は小魚を地下牢から連れ出し、ある洞窟の入り口まで来た。

洞窟に入ると、そこにはさまざまな道具が並べられていた。

それだけでなく、数え切れないほどの蛇や虫、血痕、死体があった。

そして最も奥には、巨大な陣台が設置されていた!

陣台の中央には、若い男性の死体が横たわっていた!

灰冥は、その死体の傍らに座っていた!

この光景を目にした小魚は、魂が抜けたように震え上がった。

「宗主、連れて参りました」二人の老人が小魚を連れてきた。

灰冥の瞳が、突然小魚に向けられた!

その鋭い眼差しに、小魚は泣き出しそうになった!

「ふむふむ、これが純粋な陰性の体か...」灰冥は唇を舐めながら言った。

「噂に違わぬものだ、噂に違わぬ!」灰冥は思わず大笑いした。

灰冥の傍らにいた長老が重々しく言った。「純粋な陰性の体があれば、先祖様の復活は問題ないでしょう」

「その通りだ」灰冥は軽く頷いた。

彼は目を細め、冷たく言った。「残念ながら石像はまだあの秦玉の手中にある...」