老人の視線に気づいた小魚と小米の顔色は、たちまち曇った。
他の者たちの目には、憐れみの色が浮かんでいた。
「この二人に違いない」と、一人の老人が言った。
「ああ、だがどちらだろうか?」もう一人の老人が眉をひそめた。
二人は小魚と小米を見比べ、すぐには判断できないようだった。
しかしその時、小米が突然小魚を指差して叫んだ。「絶対にあの子です、あの子です、私は関係ありません、捕まえるならあの子を...」
小米の言葉を聞いた小魚は瞳孔が縮み、顔に信じられない表情を浮かべた。
小米の口からそんな言葉が出るなんて、信じられなかった!
「小魚、素直に認めなさい、楊釗が狙っていたのはあなたでしょう、私は関係ないわ...」小米は震える声で言った。
「お二人のおじさま...いいえ、お二人のお爺様、捕まえるべき人は小魚です、私じゃありません、うっ、うっ、私を探さないで...」
二人の老人は意味ありげに頷き、小魚を一瞥して言った。「間違いなくこの子だな」
そう言うと、二人は前に進み、手早く小魚を捕まえた。
小魚はまだ衝撃から立ち直れていなかった。
小米の方をじっと見つめ、心の中で悲しみが込み上げてきた。
親友が、このような時にこんな言葉を吐くなんて。
辛くないはずがなかった。
二人の老人は小魚を地下牢から連れ出し、ある洞窟の入り口まで来た。
洞窟に入ると、そこにはさまざまな道具が並べられていた。
それだけでなく、数え切れないほどの蛇や虫、血痕、死体があった。
そして最も奥には、巨大な陣台が設置されていた!
陣台の中央には、若い男性の死体が横たわっていた!
灰冥は、その死体の傍らに座っていた!
この光景を目にした小魚は、魂が抜けたように震え上がった。
「宗主、連れて参りました」二人の老人が小魚を連れてきた。
灰冥の瞳が、突然小魚に向けられた!
その鋭い眼差しに、小魚は泣き出しそうになった!
「ふむふむ、これが純粋な陰性の体か...」灰冥は唇を舐めながら言った。
「噂に違わぬものだ、噂に違わぬ!」灰冥は思わず大笑いした。
灰冥の傍らにいた長老が重々しく言った。「純粋な陰性の体があれば、先祖様の復活は問題ないでしょう」
「その通りだ」灰冥は軽く頷いた。
彼は目を細め、冷たく言った。「残念ながら石像はまだあの秦玉の手中にある...」