272章 ただ野草に過ぎない_1

灰冥は少しも心配せず、むしろ興奮していた。

彼はどうやってシンギョクを捕まえ直すかで頭を悩ませていたが、シンギョク自身が自分からやってきたとは思わなかった。

シンギョクは神識を放し、目で周囲を探した。

すぐに、器具の中に横たわるリトルフィッシュの姿を見つけた!

シンギョクの顔色は、一瞬で非常に悪くなった!

彼はすぐに器具に向かって大きな一歩を踏み出し、リトルフィッシュを救い出そうとした。

「彼を止めろ!」灰冥は冷たく命じた。

「はい!」

数人がすぐにシンギョクの方向に突進していった!

しかし、シンギョクはそれも見ないで、ただ体から気勢が突如として炸裂しただけだ!

「轟!」

圧倒的な恐怖の気勢は、その人々を直接吹き飛ばした!

力の弱い者は、なんと場に死亡するまでだった!

灰冥の瞳孔が急速に収縮し、眉間に深い皺を寄せた。

このシンギョクの力は...また強くなったようだ!

「一斉に行け、彼を止めろ!」灰冥は冷ややかに言った。

八大長老は頷き、空を飛び立ち、空の真ん中に立ち、口の中で呪文を呟き、地殺谷の術法を操った!

「カチャカチャカチャ」

術法の操りと共に、虚空の中に突如として手首太の鎖が八本出現した!

その鎖は非常に速くシンギョクに向かって突進し、ほぼ一瞬でシンギョクを縛り上げた!

彼の手首、足首、腰、そして首まで、全てが鎖でしっかりと縛られ、全く動くことができなかった!

シンギョクの足は、勝手に止まってしまった。

灰冥は冷笑して言った。「シンギョク、ここが何処か忘れていないか。ここは地殺谷だ。私の縄張りだよ!」

「私の縄張りで乱暴に振舞うのか?地殺谷が役立たずだとでも思ってるのか?」

言い終わると、灰冥はステップを踏み、シンギョクに向かって歩き始めた。

「シンギョク、貴方のこの肉体、私がもらうぞ。」と灰冥は笑って言った。

その時、シンギョクが頭を上げた。

彼は冷たく灰冥を見つめ、「この8本の鎖で、私を閉じ込めるつもりか?」と言った。

灰冥の顔色が一変し、ふと危機感を覚えた!

彼が反応する間もなく、シンギョクの体から金の光があふれ出し、無尽蔵の力が噴出した!

「轟!」