水韻塔の中で、秦玉は曲長老と同じ考えを持っていた。
「水韻塔が欲しいだと?ふざけるな!」秦玉は冷ややかに言った。
先ほどの曲長老との会話の中で、秦玉は突然ある可能性に気づいた。
それは水韻塔の下に、何か秘密が隠されているのではないかということだ。
曲長老の部下が援軍を呼びに戻り、東川に戻ってくるまでには少なくとも12時間かかる。
秦玉はこの12時間を使って、秘密が水韻塔の下に隠されているかどうかを確かめようと思った。
全ての準備が整うと、秦玉は作業を開始した。
彼の掌が光を放ち、強烈な霊力が秦玉の拳に集中した。
次の瞬間、秦玉は地面に向かって強烈な一撃を放った!
「ドン!」
地面全体が地震のように激しく揺れ始めた!
地面には無数の亀裂が走った。
「なんて硬い地面だ」地面の亀裂を見て、秦玉は驚愕した!
普通の地面なら、この一撃で粉々になっているはずだ。
考えている暇はなく、秦玉は再び拳を振り上げて地面に叩きつけた。
「ドン!」
また一つの轟音!今度は水韻塔全体がわずかに揺れ始めた!
「くそっ、このガキ、まさか水韻塔を破壊する気か?」外で、曲長老は顔色を変え、思わず低い声で罵った。
「ドン!」
さらに一撃!
連続三拳を放ったが、地面はまだ砕けなかった!
「おかしいな」秦玉は眉をひそめた。
この地面は一体何で作られているのか?なぜこんなにも頑丈なのか?
鋼鉄でさえ、秦玉の三拳には耐えられないはずだ!
「絶対に砕いてやる!」秦玉は冷たく笑い、全身に気勁を漲らせ、拳から眩い金色の光を放った。
「太初聖拳!」
秦玉の怒号とともに、地面が轟き始め、水韻塔全体が揺れ動いた!
「バリバリ!」
地面が卵の殻のように、層々と剥がれ落ちていった!
地面の下には別世界が広がっていた!
「やはり秘密は水韻塔の下にあった!」秦玉は大喜びした!
地下から不思議な光が漏れ出し、異様な気配が立ち込めていた!
そして水韻塔内での境界上昇は、まさにこの地下から来ていたのだ!
秦玉は深く考えることなく、すぐさま飛び込んだ。
水韻塔の下には、暗い碧緑色の光が漂っていた。
秦玉はその光に導かれるように前進した。
しばらくすると、光の源にたどり着いた。
前方には手のひらサイズの小さな木があった。