第651章 私が秦玉だ!

彼は血のように赤い長剣を握り、祭壇に向かって突進した!

一筋の利刃が、上から下へと、璩蠍に向かって激しく斬りつけた!

璩蠍は冷たく鼻を鳴らし、「やっと来たか!」と言った。

璩蠍が大きく手を振ると、数道の光が彼の白い衣から飛び出した。

衝突した瞬間、恐ろしい気波が一気に広がった!

秦玉は急いで顔若雪の前に立ち、肉身の力で気波を受け止めた!

皆が立ち上がり、祭壇の上に立つ黒袍の人を見つめた。

「黒袍の人...ついに会えたな」顔錦堯は目を細めて言った。

「よくも来たものだ!」他の者たちも驚きを隠せなかった。

台上の秦玉は黙したまま、顔若雪の方を振り向いた。

顔若雪を見た瞬間、秦玉の心臓が何かに掴まれたように痛みを覚えた!

秦玉の体は思わず震え、手の中の青銅剣も共鳴するように震えた。

「黒袍の人よ、よくも来たな!」璩蠍は冷笑した。

秦玉は璩蠍を冷たく見つめ、歯を食いしばって言った。「今日来たのは、お前という畜生を殺すためだ!」

「はっはっは!」璩蠍は大声で笑い出した。

「大言壮語だな!」

璩蠍が手を振ると、数人の黒金袍が一斉に歩み寄ってきた!

璩蠍は冷たい目で秦玉を見て、「殺せ!」と命じた。

一声の叫びと共に!一人の黒金袍が真っ先に攻撃を仕掛けた!

彼は掌を爪のように変え、鋭く秦玉に向かって掴みかかった!

この時の秦玉の心は怒りの炎で満ちていた!まさに爆発寸前だった!

突進してくる黒金袍に対し、秦玉は長剣を突き立て、金光を握りしめ、激しく打ち込んだ!

この一撃には秦玉の悲憤と無敵の戦意が込められていた!

恐ろしい拳の力が、黒金袍の掌に激しく打ち込まれた!

「ガン!」

巨大な音が響き渡り!気波が二人を中心に四方へと広がった!

「バキッ!」

この一撃で、黒金袍の掌は粉々に砕け散り!血が飛び散った!体全体が吹き飛ばされた!

見ていた者たちは、思わず息を呑んだ!

顔錦堯でさえ目を細めた。

「一撃で黒金袍を退けるとは、その実力は噂通りだな」顔錦堯は冷たく言った。

「さすが秦玉の師匠だ。この実力は並大抵のものではない」他の者たちも口々に言った。

祭壇の上で、秦玉は璩蠍を睨みつけ、全身を震わせ、目を血走らせ、今にも璩蠍を引き裂かんばかりだった!