第568章 お前の金丹は、私のものだ

電話を切った後、秦玉は思わず笑みを浮かべた。

この資本家たちは常に他人を支配しようとし、誰もが彼らの道具になることを望んでいる。

秦玉にとって、それは絶対に受け入れられないことだった。谷滄海の件が前例として示している。

その後、秦玉は携帯を手に取り、姚青に電話をかけた。

電話が繋がると、秦玉は言った。「姚青、明日、桃子と一緒に蒼湾市に来てくれ。」

「秦玉、やっと見つけたぞ...」

しかし、向こうから不気味な声が聞こえてきた。

秦玉は眉をひそめた。「お前は誰だ？」

「私？誰かがお前を殺すために金を出してくれたんだが、お前が見つからないから、家で待つしかなかったんだ。」相手は淡々と言った。

「ああ、自己紹介しよう。私の名前を聞いたことがあるはずだ。馬海だ。」

秦玉は冷たく言った。「馬海だろうが驢馬だろうが、お前なんか知らん。」

向こうの馬海は一瞬驚き、その後冷笑した。「私の名前を知らないとは？見聞が狭いようだな...」

「姚青と桃子をどうした？」秦玉は無駄話を聞く気はなかった。

馬海は淡々と言った。「早く戻ってくれば、彼らは死なずに済むだろう。だが、逃げ続けるなら、どうなるかわからんぞ...」

「いいだろう、楚州で待っていろ。すぐに戻る。」秦玉は冷たく言った。

電話を切った後、秦玉は振り返って碧月山荘を出て、楚州へと向かった。

...

楚州。

馬海は庭で足を組んで座り、まるで世外の高人のようだった。

彼は小さな茶壺を手に持ち、時折一口すすっていた。

この茶壺は水を飲むだけでなく、同時に優れた法器でもあった！

伝えによると、この法器は馬海が武侯から奪ったもので、その中には天地の力が宿っているという。

天地の力でお茶を淹れるとは、馬海がいかに贅沢な人物かを物語っている。

「大人しくしていれば、殺しはしない。」馬海は地面に横たわる姚青と桃子を横目で見ながら、淡々と言った。

桃子は涙に濡れた顔で、か細い体を震わせていた。

一方、姚青は拳を握りしめ、怒りに震えていた！

この馬海は極めて残虐で、桃子の美しい顔に目を覆いたくなるような傷跡を残し、姚青の丹田にも傷を付けていた！

二人の苦しむ表情を見て、馬海は満足げな様子だった。

「道友、また会いに来たぞ。」そのとき、入り口に一つの影が現れた。