強大な力が、激しい風とともに、秦玉に向かって叩きつけられた!
その通り道には、木々が折れ、岩が砕け散った!
遠く離れていても、その威圧的な気配を感じることができた!
「す...すごい力だ....」誰かが驚いて声を上げた。
韓威の顔色も一瞬で青ざめた!
この力はあまりにも強大すぎた!
「ただ手を上げただけでこれほどの威力か...」韓威は小声で呟いた。
「轟!」
その時、秦玉は突然手を伸ばし、小黒の拳を掴んだ!
小黒の体から放たれていた恐ろしい気焔が、この瞬間に消え去った!
周囲も一瞬にして風波が収まった。
彼の拳の気勁は、秦玉によって押し戻されたかのようだった。
「な...なんてことだ!」韓威は目を見開いて驚愕した!
小黒のあの恐ろしい一撃が、いとも簡単に無効化されたのか?
今の秦玉は、もうこれほどまでの境地に達していたのか?
「どうしてこんな...」韓威は死にたい気持ちになった。
彼は自分と秦玉には差があることを知っていたが、まさかここまでの差があるとは思わなかった!
「この程度の力か?」秦玉は冷たく目の前の小黒を見つめ、体から金芒が少しずつ放たれ始めた!
小黒は不味いと思い、急いで秦玉の手から逃れ、後方へ飛び退いた!
たった一撃で、両者はすでにお互いの力量を測り合えたようだった。
小黒は冷たく秦玉の方向を見つめ、目を細めた。
現場の空気は一瞬で凍りつき、極限まで緊張が高まった。
皆は息を潜め、大きな息もできずにいた。
「秦玉、確かに驚かされたぞ」小黒は冷たく言った。
「そうか?お前にはむしろ失望したがな」秦玉は冷笑した。
小黒の目に一瞬暗い光が走り、その後、彼の体から黒い気勁が徐々に噴出し始めた。
「秦玉、今日がお前の命日だ!」
小黒の怒号とともに、彼の体は一筋の黒芒となって秦玉に向かって突進してきた!
彼の拳は鋭い気勁を帯び、暴風雨のように秦玉に襲いかかった!
しかし秦玉は燕のように軽やかに、両手を後ろに組んだまま、極限の速さで全ての拳を避けていた。
「シュシュシュ!」
瞬く間に、小黒は数百の拳を繰り出していた!
その余波だけでも地面は穴だらけになり、その力の凄まじさを物語っていた!
しかしその拳がどれほど強くても、秦玉の衣の端すら触れることができなかった!