第763話 1撃!

強大な力が、激しい風とともに、秦玉に向かって叩きつけられた!

その通り道には、木々が折れ、岩が砕け散った!

遠く離れていても、その威圧的な気配を感じることができた!

「す...すごい力だ....」誰かが驚いて声を上げた。

韓威の顔色も一瞬で青ざめた!

この力はあまりにも強大すぎた!

「ただ手を上げただけでこれほどの威力か...」韓威は小声で呟いた。

「轟!」

その時、秦玉は突然手を伸ばし、小黒の拳を掴んだ!

小黒の体から放たれていた恐ろしい気焔が、この瞬間に消え去った!

周囲も一瞬にして風波が収まった。

彼の拳の気勁は、秦玉によって押し戻されたかのようだった。

「な...なんてことだ!」韓威は目を見開いて驚愕した!

小黒のあの恐ろしい一撃が、いとも簡単に無効化されたのか?

今の秦玉は、もうこれほどまでの境地に達していたのか?

「どうしてこんな...」韓威は死にたい気持ちになった。

彼は自分と秦玉には差があることを知っていたが、まさかここまでの差があるとは思わなかった!

「この程度の力か?」秦玉は冷たく目の前の小黒を見つめ、体から金芒が少しずつ放たれ始めた!

小黒は不味いと思い、急いで秦玉の手から逃れ、後方へ飛び退いた!

たった一撃で、両者はすでにお互いの力量を測り合えたようだった。

小黒は冷たく秦玉の方向を見つめ、目を細めた。

現場の空気は一瞬で凍りつき、極限まで緊張が高まった。

皆は息を潜め、大きな息もできずにいた。

「秦玉、確かに驚かされたぞ」小黒は冷たく言った。

「そうか?お前にはむしろ失望したがな」秦玉は冷笑した。

小黒の目に一瞬暗い光が走り、その後、彼の体から黒い気勁が徐々に噴出し始めた。

「秦玉、今日がお前の命日だ!」

小黒の怒号とともに、彼の体は一筋の黒芒となって秦玉に向かって突進してきた!

彼の拳は鋭い気勁を帯び、暴風雨のように秦玉に襲いかかった!

しかし秦玉は燕のように軽やかに、両手を後ろに組んだまま、極限の速さで全ての拳を避けていた。

「シュシュシュ!」

瞬く間に、小黒は数百の拳を繰り出していた!

その余波だけでも地面は穴だらけになり、その力の凄まじさを物語っていた!

しかしその拳がどれほど強くても、秦玉の衣の端すら触れることができなかった!