第764章 武聖の力か?

小黒のすべての力が、一瞬にして崩れ去った。

この一撃の下、金芒が瞬時に爆発した。

そして小黒の姿が再び飛び出し、今度は山の頂を直接粉砕し、その体は岩石の下に押しつぶされた!

皆が思わず目を見開いた!

小黒のあの比類なき輝かしい光が、たった一撃で打ち消されたのか?

「す...すごく恐ろしい...」

「この秦玉はもうこれほどまでに強くなったのか、たった一撃で小黒の必殺技を打ち消し、さらに彼を吹き飛ばしてしまった...」

遠くにいた世家の若様たちも、思わず舌を巻いた。

「この秦玉の成長速度は速すぎるな」と荘騰が感嘆した。

「そうだな、さっきの小黒の一撃は、もし我々が受けていたら、おそらく死を免れなかっただろう。だが秦玉は軽々と打ち消してしまった」と楚恒も感嘆した。

顔錦尭の顔にも重々しい表情が浮かんだ。

彼は、秦玉がたった二発の拳で、小黒をほぼ殺してしまうとは思いもよらなかった!

「小黒!」

琴ばあやの悲痛な叫び声が響き、その老いた姿が突然小黒に向かって飛び出した!

そのとき、岩石が突然瓦礫と化し、小黒が再び立ち上がった!

「あああ!!!」

小黒は全身血まみれで、頭を上げて叫び、目を見開き、怒りが顔全体に表れていた。

「秦玉...この忌々しい野郎!」小黒は怒りの叫びを上げ、恐ろしい気波が四方に広がった。

秦玉は足元で軽く震え、体が宙に浮かんだ。

彼は冷たく小黒を見つめ、言った。「この一撃で生き残れたのは、すでに上出来だ。呑天蟒の肉身は、確かに名に恥じないな」

この褒め言葉は、却って小黒にとって耐え難い屈辱となった!

地階頂点の妖獣として、その肉身は世界無双と言えるほどだった!妖獣の中でも最高峰だったのに!

しかし今やこの秦玉を前にして、まったく利点を見出せない!

「秦玉、お前を殺してやる、必ず殺してやる!」小黒の悲痛な声が絶え間なく響いた。

秦玉は冷笑して言った。「その機会はもうないだろう」

秦玉の全身から金芒が爆発し、太初聖拳がゆっくりと凝集していった。

彼の拳は太陽のように、比類なく輝いていた。

秦玉の怒号とともに、金芒が小黒に向かって注ぎ込まれた!

この一撃は枯れ木を払うがごとく、極めて強大だった!

その一帯の地面が瞬時に陥没し、たちまち砂石が飛び散り、天地が暗くなった!