「京都武道協会は、一体どれほどの実力を隠しているのか」秦玉はますます疑念を深めていた。
八人の上層部が一体何者なのか、誰も知らなかった。
「顧子真は第二の秘境の支配者として、必ず縛神術を解く方法を知っているはずだ」秦玉は心の中で思った。
この顧子真に勝てさえすれば、すべてが解決するはずだ。
秦玉は振り返り、小清の部屋を出た。
そして、閣主楼へと向かった。
顔若雪の前に立つと、秦玉の顔には思わず心痛める表情が浮かんだ。
閣主の看護のもと、顔若雪の怪我は回復していたものの、彼女の顔の蒼白さは隠しようがなかった。
それは秦玉をさらに焦らせた。
「閣主様、私は京都に戻ります」秦玉は言った。
そう言って、薬湯に浸かる顔若雪を指さしながら、「若雪を連れて行きます」と付け加えた。