第819章 蔵経閣の秘密

秦玉は荘騰の後ろについて、ある方向へと歩いていった。

途中、荘騰は不思議そうに尋ねた。「秦兄さん、本当に琴ばあやを殺したのですか？」

秦玉は彼を一瞥し、首を振って言った。「違う。」

「秦兄さんはいつも控えめですね。」楚恒が傍らで笑いながら言った。

秦玉は説明しなかった。説明しても無駄だと分かっていたからだ。

話している間に、一行は涼亭に到着した。

涼亭には石のテーブルがあり、すでに人々が座っていた。

京都世家の若様たちが、ほぼ全員ここに集まっていた。

荘騰と楚恒の他に、楚合道、孔雲、姚梦、簫遠などが、次々とここに集まっていた。

秦玉は思わず眉をひそめた。

彼は無意識に荘騰を見て、この連中の意図を理解したようだった。

彼らは明らかに秦玉を認め、彼らのいわゆる仲間内に引き込もうとしているのだ。

「秦兄さん！」秦玉を見た簫遠は立ち上がり、秦玉に一礼した。

秦玉は軽く頭を下げ、挨拶を返した。

その後、適当な場所を見つけて座った。

「秦玉、今や本当に華々しいものだな。琴ばあやまでお前の手にかかって死んだとはな。」傍らで誰かが言った。

「そうだな。琴ばあやは京都で長年君臨してきたのに、まさか若い者の手にかかって死ぬとは誰も想像していなかった。」

「ああ、最初は出自が卑しいから大成しないと思っていたのに、まさか今日までこんな道のりを歩むとは。」

周りの人々の追従を聞いて、秦玉は一言も発しなかった。

彼は京都の若様たちの仲間内に興味がなく、印象もあまり良くなかったので、当然話すことはなかった。

「顔錦堯はなぜ来ていないんだ？」この時、秦玉は何かに気づいたようだった。

見渡してみると、確かに顔錦堯の姿が見当たらなかった。

「顔錦堯は閉関したそうです。」孔雲が言った。

「閉関？」秦玉は眉をひそめた。

「半歩武聖を目指しているのか？」

「それほどではないでしょう。おそらく大円満を目指しているのでは。」簫遠が話を引き継いだ。

秦玉は頷いた。

この忙しい時期が終わったら、自分も閉関の時間を見つけなければならないようだ。

「そういえば。」この時、秦玉は皆を見た。

「皆さんは蔵経閣に入ったことがあると聞きましたが？」